いつしか日記

日々の日記。圧倒的に仕事の話。

着地しないなら飛んで行け

「昨日またPCの電源切れてなかったわよ」

 

取締から注意された隣の。

 

直後から隣で隣のが「PC終了しねえ」とブツブツ言い始めた。

隣のと取締はバッチバチだ。

 

昔、隣のにイビられていた取締は視界に入れるのも嫌なくらい隣のの事が嫌い。
隣のは自分がヒロインであればなんでも良い。
それを邪魔する者はファミレスに呼び出され排除して来た。

だからバチバチだ。


取締「隣のさん、殿からPCの対策防止策提出してって。あたしとボスさん見ますから」

隣の「はい!」
気持ち良く返事はしたが肩はぐるんぐるんに回している。


さっそく、電源を落としたのに落ちていなかった原因を探る隣の。

電源が落ちた事を確認せずに帰っただけの事。
勝手に起動するなんて聞いた事が無い。
それは心霊現象だ。
原因を探るという事は、素直に落ち度を認めないという事。

 

長くなりそうだ。

 


隣の「読んでないから分からないけど
そういえば訳の分からない表示が2個出てたの!
それのせいだ!いつしかさん後で見てみて!」

すぐ巻き込む。
わたし「電源落ちたのを確認して帰れば良いだけじゃないですか」
隣の「なかなか落ちないんだもん!なんか表示出て、その間にトイレに行って、まだ落ちてないからなんかよく分からないボタン押して落ちたと思って帰ったの」
わたし「電源落ちたのを確認して帰れば良いだけじゃないですか」
どうしてわかってくれないの?と頭を抱える隣の。
隣のは何が何でもPCの不具合による被害者だというストーリーが成り立つまで諦めない女。


隣のの言う『なんかよく分からない表示』は
勘ですけども、
「保存してないデータがありますがどうします〜?」とか「クリップボード内にデータあるけどどうします〜?」の表示の事だと思う。

そして、
「あと何秒後にシャットダウンします。今すぐ終了したい場合はボタン押してね〜」をよく読まずに適当にボタン押して、
それが終了をキャンセルするボタンだった。
そのまま終了を確認せずに帰った。

そういう事でしょ。


困ってる上司から言われたので
わたしは協力するフリをして言い訳の可能性を潰して行く事にした。


昨日の夜と同じ状態を作り出してもらい、
システムを終了させてみたが、
訳の分からない表示は出ない。
スムーズに終了した。2回やった。

 

 


隣の「スリープモードを消したと思ったのかな?」
スリープ画面が真っ黒だからそれを勘違いしてそのまま帰ったんだ。という意味。

今の今まで終了させる操作したって話だったのに、
今度は終了させる操作をしていない事になっている。

 

わたし「終了する操作したのかしてないのかハッキリしてもらっていいですか」


・・・思い出せなくなったみたい。

戸締りの最終を確認して回ったペロリが電源落ちてないのに気がついたそう。

隣のは思い立ったらすぐに行動する女。
事務所に走ってペロリの元へ。
「ペロさん!あたしが帰ってからどのくらいで発見した?」

ちなみに今は仕事中である。

 

ペロリが言うには、
最終確認に回った時、暗い部屋で画面だけ点いてたから廊下からすぐに気がついた、というのが判明。

 

隣のはやり方を調べてスリープ機能をOFFにした。

スリープは何も悪い事はしていないが、
何が何でも自分の落ち度を認めたくない女の犠牲になった。

ちなみに今も仕事中である。

 

 


昼前。
言い訳が問題になってる隣のの報告書の話。

納品の形が決まっていたのに
それに則らないで納品した。
お客さんの所の品管のトップから大丈夫ですか?と連絡が入ったやつ。

隣の「報告書いつしかさんがOK出せばいいんだって」

 

はい?

わたしこの件に関して関係ない人なのですが。

 

後で確認したら、
昨夜の会議でわたしが帰った後に殿がそう言ったらしい。

わたしは報告書の内容に文句があるんじゃなくて(問題はあるけど)、
わざと話をややこしくする隣ののタチの悪さを主張したつもりだった。
なのにその報告書を認めるか認めないかの判断を一任された。

その報告書はみんなの力で最初の言い訳増し増しな内容からまだマシになった方。
だから内容については文句は無い。
実際にこの対策を実行するかしないかは本人次第だが。

 



14時頃。
隣の「停電で再起動するんだって!雷が原因の場合があるらしい!」

 

ここ最近、
雨も降ってないし停電もしていない。

 

まず電源を落とす操作をしたのかしてないのかをハッキリ決めてくれ。

 

隣のが仕事してるところを今日はまだ見ていない。

 



隣の「あたしが帰った後なのにスリープモードになってなかったのかな?画面光ってたのかな?
ペロが言うには、あたしが帰った後、
30分でスリープモードになる筈なのになってなかったって言うのよ。
じゃあ誰かが触ったって事…?」

 

犯人が不在のミステリーが始まろうとしていた。


開いた口が塞がらないというやつだろうか。
これを聞いた後、わたしはしばらく口を開けて仕事をしていた。

 



隣の「あたしが20時過ぎに帰って、
ペロが21時過ぎに帰ったって言うから1時間空いてる筈なのに
画面が煌々と輝いてたって言うのよ。おかしい」

 

隣の「Appleに電話して聞いてみようかな」

口が閉まらないわたし「なにを聞くんでしたっけ?」
隣の「だから電源切れてももう一度立ち上がることがあるのかって。
自信あんだけど!えん罪だよ今回は!」

わたしはもうしばらく口を開けて仕事をするしか無さそうだ。

 



会社のメールに隣のの個人携帯から
iMacが勝手に起動する - Appleコミュニティ」ってURLつきのメールが届いていた。
昼休憩中にも検索してたんだな。

Appleは問い合わせに時間かかるからAppleのQ&Aを調べてたらしい。


今度はPCを買い替える時にお世話になってる業者に電話をかけた隣の。

業者曰く、終了させてまた勝手に起動することはないとの回答。

隣の「また往生際が悪いみたいになっちゃう」

 



隣の「(発見したのは)ペロさん帰る20分位前だって言ってたから
やっぱりスリープになってたんだよ。
もー!全然わかんない」

 

隣の「原因は、システムを終了にしたと思って帰っちゃいました。にして、だってそれしか書きようがないよな?
・・・違う!システムを終了したがスリープモードになってて、気がつかずに帰った。にしよう!
対策はスリープにならないように設定した。
どう?」

 

どう?って。

さっきの「いつしかさんが承認すればOK」って流れで、
いつしかさんが承認したもん!って言う気なら承認できませんが。

 



18時頃。
隣の休憩来ないなと思っていたら、
みんなが食堂で休憩してる隙にこっそり事務所に行き、
PDFも印刷出来ない程の知識の殿を丸め込めに行っていた様だ。

なぜ知ってるかと言うと、
事務所から来た取締によって知らされた。

 



休憩から戻り、
隣のの今日の様子、ペロリにも業者にも迷惑かけてるのは取締も分かっていた。

取締「あれ(殿への、同情を誘う直談判)で対策書無しにしようとしてる?ちょっと言ってくる」

 

取締「今日早めに帰るので(対策書)お願いしまーす」
隣の「はーい」


朝から残業時間までかけて考え続けた対策書がやっと書き終えた様子。
何か仕事はしたんだろうか。
隣の「はい対策書!短くなっちゃった。長い方が良いかな」
わたし「短いもんだと思いますよ」
ちゃんと確認してから帰る様にすればいいんだから。


隣の「長く書いて煙に巻こうなんて・・・
だってわかんないもん。もういい。いい。早く帰るから早く書いてって言われちゃった。」

なんで自分が可哀想みたいになってるんだろう。


その対策書を受け取って読んでるボスと取締。

部屋に殿が入って来て隣のが言い訳ばかりで怒り出す。
殿が相手でも全く着地する気が無い隣の。

要は帰る時のチェック体制の不備だ!と言う殿。

 

 

昨夜、
ボスが帰る時に「あとは隣のさんだけだよー」と声をかけて「了解!」という返事があり、
先にチェックを付けてしまった。

それが嘘だと。
実際はPCは落ちていなかったと。
全員の責任だと。

ボスがすぐに対策を考えた。
「片付けのチェックは各自がつけにくる事」

 

 

殿に怒られた後、
隣の「ということで(原因は)スリープじゃないって」

知ってるよ。


対策書を書き直してる隣の。
「そしたら、単純にチェック漏れ
・・・じゃあスリープ設定はOFFじゃなくていいってことだ。・・・いやぁ」
スリープ機能には拘りたいという意味の「いやぁ」

 

18時40分
対策書を提出したけどまだ引っかかっている。
隣の「ボスさんが考えた対策で良いという事は、スリープ切らなくて良いんだって!」
なんだよひと騒がせしやがって!のニュアンス。

 

わたし「まぁ、だから、切れた事を確認してないっていう…」
隣の「確かに、切れてた筈だと思い込んでしまえばそれが原因であり対策になるけど、
そうじゃなくて点けっぱなしだったんだよ!って言われてしまうと、それは対策にならないんだよね」
何おっしゃってる?

 

隣の「とりあえず、スリープはONにしよ。
スリープ状態だったって、勘違いしたんだって言えばすごく楽なんだけど、
でもペロさんが点いてたって言うから…」
わたし「また着地点失ったら風船付けますよ」

 

昨日の会議で、隣のが我が身可愛さで着地点に降り立ってくれない。
話をわざとややこしくすると指摘したばかり。
そんなに降り立ちたく無いならずっと浮いてな!って意味で風船付けますよと言った。

 

隣の「ふふふふ笑 スリープが30分で切れないって…」
冗談として取られた。

 

ちゃんと電源落として帰れ!が
隣のの頭の中で「再起動した原因と対策を練ろ!」に書き換えられてる。

 

隣の「う〜ん、まあいいけど!」
あたしが大人になってやるか!と自分を納得させる隣の。

 

疲れるー


物の見方が悲劇的過ぎ、悲観的すぎ。
「あたしの周りばかり酷いことが起きるわ〜!」
だから成長しないんじゃないか。

 

人の事言える程の人間では無いが、
わたしは疲れたんだもん。

 



数日後、まだ根に持ってるみたいで
「変な表示が出てて終了できなかった」と言っていた表示がまた現れたみたいで、
それのスクリーンショットを見せられた。


「あと何秒で電源が落ちます」って表示。

「すぐ終了」と「終了をキャンセル」のボタンがあって、隣の曰く、
「どっちを押しても終了しなかった。でも長押ししたら終了した」と。

スマホじゃ無いんだからPCに長押しとか半押しとかいう概念はない。
わたし「押してる間にカウントが終わったんでしょ」
隣の「そんな訳ねえだろ笑」

 

"原因不明の症状に振り回された可哀想な自分"って構図をまだ欲しがっている。