いつしか日記

日々の日記。圧倒的に仕事の話。

引き継ぎに思い出はいらない。悪意もいらない。

20220125


火曜日

 

 

抗原検査キットが品薄というのをニュースが取り上げていた。

買い占めらしい。

 

濃厚接触者で隔離され、それ以降症状が出なければ無料で検査を受ける事が出来ず、

知りたければ自腹で検査するしかなくなる。

陽性者も最終確認は自腹なのかな?

それで買い占められているみたい。

 

弊社も会社に復帰する前に検査してから、というルールが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は快速急行社の出荷日だった。

100件は切ってるらしいが、大変らしく。

 

金曜日に業者がMacの見積もりに来て作業止まるから、どんどん仕事を進めたいところ。

 

まじですかー。

 

 

 

 


 

 

 

朝礼後。

 

営業のペロリ「いつしかさん・・・これうちで作ったんだけど・・・」

 

ペロリは毎度深刻そうな雰囲気でコソコソ話出す。

不具合でも出たかのよう。

まじで心臓に悪いから止めて欲しい。みんな言ってるよ。

 

 

 

 

ペロリ「これがうちが作ったやつで、こっちは他社が作ったやつで、お客さんが他社の方に合わせたいって」

 

 

なにぃ?

 

 

今取り掛かってる新規達の話だ。

雰囲気が違うから他社さんに合わせて欲しいとの事。

 

他社さんと何が違うのかは分かってる。

文字高だ。

そうペロリに話すが伝わらない。

2つを並べて比較し、文字ではなく周りの枠なんかを定規で測り出す。

そして首を傾げる。

 

分からないってちゃんと言わないとこのまま話進めるぞ。 

 


 

文字高の件は、以前にお客さんに了承を得た話。

なもんで、今回の新規ももうその設定で何種類か作り終わってるんですけど?

 

 

ペロリ「だってお客さんがそう言うんだからしょうがないじゃん」

 


はい、出た。言うと思った。

今度同時に言ってやろう。


お客さんの意思は分かるよ。

会社が意図してやってる事をお前が分かって無いのが問題なのだよ。

 

 

 


弊社は加工の関係でわざと印刷に余裕を持たせる事をしている。

文字を小さくするのもその関係。

 

材料の縮みを想定しているから。

乾燥機に入れたりもあるし、湿度も影響する。紙はペロリより繊細なんじゃ。

 

印刷が縮むとカッティング機で刃を入れる時にズレが生じる。

そうなると妥協点をプロの加工人が1枚1枚探りながら切る事になる。

だから少しでも余裕が欲しいのだ。


 

お客さんには以前からこの事を毎回説明して了承を得ていたはずのに。

ペロリは何も考えず「へへっわっかりましたー(ペロッ)」なんて返事したんだろ。


 

こちらの修正は面倒だけどやるさ。出来るから。

やるけど、文字が切れるかもー?ってお客さんに説明しと・・・かないんだろうな。

もうこちらは指示通りにしかやらないからな。

せめてペロリが決めた面付を少なくしないとマジで無理だぞ。

経験上2面が妥当だぞ。

 

 

 

 

 

 

・・・結果的に何も変わらず、面付は多いままでやるつもりらしい。

材料ギリギリまで使いたい意味は分かるが、現実的に無理だ。

面付た内、何面かは絶対無駄にする。

 

 

 

 

だから際どい印刷をしたくないのだ。

分かるかペロリ。


首を傾げるな。

 

 

 

 

 

他社さんのを見るとまぁ、見事に文字の下面ピッタリで切れている。

弊社は多分検査のプロがNGにするレベル。

他社さんを悪く言ってる訳じゃ無い。

弊社が加工すると文字が切れると思うから下面ピッタリですごいと思った。

悪く言ってないって。

 

 

 


ペロリには1番苦労させるであろう加工の人と打ち合わせするように促した。

 

するとペロリは数秒間体を硬直させ、時が止まった。

 

それかわたしの方が時間を超越した。

それかペロリの方が止まって見えるほど超越していた。

 

 

 

 

数秒というには長い時間硬直が続き、

やっと動き出した、と思ったらペロリはそのまま部屋を出て行った。


打ち合わせをしないでサプライズするつもりだ、と察した。

 

 

 

サプライズ・ペロリは何度言っても根回しを理解しない。

納期ギリギリまで誰にも話さず、時が来たら現場に丸投げ。

 

文句を言われたら「お客さんが言うんだからしょうがないじゃん」で現場を黙らせようとする。


みんながお客さんに対して怒ってると思って本人はケロッと、間違えた、ペロッとしている。


今回も加工の人には、

「もう印刷までやっちゃったからなんとか加工やってよ」と、

有無を言わせない状態にとっととしちまおうとしている。

 

そういうサプライズ。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休憩が終わり、Nが「いっつー忙しいね」と聞きに来た。


休憩に入る時に加工室から、

N「いっつーが来てくれれば・・・」

と既に聞こえていたから心の準備は出来ていた。

 

 

いや、出来てないよ。

こっちは仕事が朝より増えてるよ。

 

 

N「だよね・・・」

 

引き下がりそうで下がらないN。

 

いっつーがピンチになったとしても誰も手伝えないから強く要請出来ないN。

でも出荷間に合わなかったら『いっつー手伝いもせずに何してんだ』になるんでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

出荷は16時半には終わったけど、

応援に向かってまず言われたのが「現品票貼る?」。

すっかりわたしの仕事になっている。

 

世界一無駄な時間(誇張)を使ってたからそれの改善案を出したら、

それがそのままわたしの仕事になって、「現品票貼る?」はそれの合図。

 

応援に入った時間が遅いと検査員にめちゃくちゃ追い立てられてそれをやることになる。

私が来る事を想定しておかないでいいよ。

わたしを置いて先に行って。

 

 

 

 

 

 

 

 


残業。

 

やっと落ち着いて自分の仕事に戻れる。

と、思いきや、

定年退職間近の"隣の"が三代目にISOのデータの在処を引き継ぐとかで隣に座っていた。

 

 

うわーうるさそー

 

 

 

 

数年前にISOの品管を退いてからというものの、

不治の仕切りたい病を患ってるから全然退かなかった"隣の"。

定年という強制力によりやっと引き剥がせた。

 

 

 

そもそもデータの在処を引き継ぐって?

資料を更新しようにも、三代目はそのデザインソフトの操作出来ないぞ。


つまりそういうのは全部わたしの仕事になるやつ。


 

注文書とか証明書とか人事のアンケートとかくじ引きの番号とか当番表とかパートのシフト表とか、

細かな社内物まで何でもかんでも”隣の”がデザインソフトで作ってあげちゃうから全部わたしの仕事になった。

日付の更新とかちょっとした事でもわたし1人がいないと出来なくなってる状態。

 


作ってあげちゃうのは良いけどさ、何でもかんでもデータの独占は良くない。

引き継いだわたしも面倒くさい。

みんなもわたしという理解力の乏しい奴に伝える時間を要してちょっと面倒だと思う。

忙しそうなのにこんなちょっとの変更やってもらうの気が引けるな、とかあるじゃん。無いか。

 

 

Officeソフトでやってあげた方が良い!と108回くらい"隣の"には言ってみたけど、

データを独占して優位に立つ事が目的なのか、

作ってあげた事に感謝されたいだけなのか・・・

自分がやりたいって事が重要でそれに突き進む。

 

 

 

 

 

みんなが操作出来ない環境で資料を作ってしまうから、

"隣の"の言う事を聞くしかなくなる世界の誕生。

 

これで良いや。これにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

ISOの引き継ぎだが、自分が作ったデータの思い出話が大半だった。案の定。

 

「昔はね」

「昔はね」

「大変だった」

「大変だった」の繰り返し。

 

付き合ってあげてる三代目。

一向に引き継ぎらしい事は進んでいない。

 

 

『こんなに大変な事をあたしはやって来た』

っていうマウントに聞こえちゃうのは穿ってるだろうか?

 

 

コソッと「みんな協力的じゃないから」と教えてる辺り、結局は『あたし1人の頑張りのおかげ』と三代目に思わせている。

そう聞こえちゃうのも穿ってるだろうか?

 

 

 

 

 

『あたし1人の頑張りのおかげ』ではなく、

『あなた1人しか使えない環境のおかげ』でもある。

 

 

 

 

 

 

隣の加工室から笑い声が聞こえる。

"隣の"のテンションが高いから加工室まで声が漏れているらしい。

 

おい、笑われているぞ。

 

 

 

 

 

O「ちょっといつしかさんが可哀想だから」

ボス「ああそっか」

 

加工室から聞こえた。

普段開け閉めが面倒だからと閉めさせてもらえないドアを、"隣の"の声が聞こえないように閉めようとしていた。

 

はい、恨みます。

 

 

 

 

 

 

 


"隣の"の話、もはやISOは関係無く、自分が礎を築いたという思い出話、苦労話になっていた。

わたしが使う作業データにまで説明が及んでいる。

 

目に入った物をどんどん説明していってるみたい。

 

 

 


隣の「補助金のがこれ。これ書類作るの大変だったんだよ〜」

三代目「補助金面倒臭いですよね。そういうのって補助金使うからってそこの営業に任せられないんですか?」

隣の「どーだろう。ISOも代行業者があるくらいだしね・・・」

 

 

 

過去にも業者に出せないのかと何度か聞いた事があった。

その時は「うちのは複雑だから業者に任せられない。どれだけ大変か〜」とヒステリーを起こしてしまい、話す場を持てなかった。

 

今もまた、三代目に「業者」という言葉を出されてショックを受けた様だった。

 

ヒステリーを起こした時もショックだったんだろう。

「あたしがこんなに頑張ってるのに!」って。

 

 

"隣の"は本来の仕事でよく怒られる様な事をするから、書類作りでポイントを稼ぎたい人だった。

だから色んな物を独占して自分の評価を上げたかった。

そうしてデータを独占する独占神が生まれた。

 

 

 

 

神の御心は分かった。

下界の人間の視点だとこうなる↓

 

本来の仕事の生産性が無く、というかマイナスで、「書類作りで忙しいんだ!」とヒスり、

偉い人が注意するまで何ヶ月でもそれにかかりきりに。

かかりきりなのに、前にやった仕事のミスが返ってきてマイナスだけ増えていく。

 

そんな漫画のオチみたいなのがちゃんとつく独占神。

 

下界から見上げるとこんな感じ。

 

 

 

 

 

 

隣の「元はあたしがデザインソフトで作ったんだけど、これ笑い袋さんがExcelで作ったんだよ!あの子凄いんだよ!」

三代目「機械配置図ね〜、それ〜完成されてなかったんですよ。俺直したんですけど」

隣の「うそ〜」

 

 

久しぶりの笑い袋。

去年退社して行った人。

簡単に説明すると『"隣の"を継ぐ者』って感じの人。

 

 

 

 

"隣の"は自分の優位性を脅かさない相手を大袈裟に褒める癖がある。

「出来ない人だけど、こういう事は意外と出来るのよ〜」というニュアンス。

 

相手を立てず、自分自身を立てる。

褒めながら踏み台にするという高度なテクニック。

 

 

 

 

 

 

 

1時間ほど話してると、"隣の"は誰に何を話しているのか分からなくなった。

 

 

「この写真はどこどこ行った時の〜ここに写ってるのが業者の誰々で〜」

 

写真の紹介を始めていた時、

「殿は整理が出来ない」

「あのおばさん(取締)もただ見るだけで・・・云々」

という感じで愚痴り始めた。

 

 

殿の息子であり、取締の甥っ子である三代目に。

 

 

 

 

気を抜き過ぎている。

 

 

 

三代目は何を思ってるのか分からないけど、ちゃんと苦笑いで相槌を打っていた。

 

 

 

 

 

隣の「資産管理番号あたしがラベプリで作ってるのよ。本当はあのおばさん(取締)がやらなきゃいけないのにさ。

誰かに説明するわけでもなくさ、あたししかやってない。

あたしがいなくなったらどうすんだろうね!」

 

困るのがさぞ楽しみ〜!といった"隣の"に、ちゃんと苦笑いで相槌を打つ三代目。

 

 

 

ささやか過ぎるよ楽しみが。

 

それよりその「後々どうするんだろう」って感覚をお前が独占してる様々な社内物データにも向けて欲しかった。

 


 

 

 


 

そして有難い助言を賜る三代目。

 

 

隣の「(やる事多いと思うけど)そのうち体が勝手に覚えるよ」

 

 

そう言ってる本人は、殿の身内を相手にしてるの忘れてるけどな。

 

 

 

「えー!こんなに覚えられるかなー!?隣のさん1人でこんなにやって凄いですよー!」

・・・は、三代目の口からは出なかった。

 

 

 


 

 


引き継ぎは2、3時間で終わった様子。

 

 

 

ただし、

"隣の"の引き継ぎは終わった後も厄介である。

 

「(やる事多いと思うけど)そのうち体が勝手に覚えるよ」と言った辺りから厄介なのが始まろうとしている。

 

 

今は『尊敬されたい』『優位に立ちたい』欲が強く出てて色々話してくれるが、

この欲が満たされると、今度は急に『困ればいい』という態度に豹変する。

 

 

自分が徳をした後は相手に損をして欲しいという願望が出て来るみたいで、足を引っ張り始める。

自分が独占していた事をすぐに出来てしまっては面白くないのだろう。

 


困らせたいが為に同僚に「〜を困らせてやろうよ」と呼びかけたりもする。

ちゃんと悪い奴。

 

 

ちゃんと悪い奴は感情の昂りもなく、平常心で恥部を晒せるから恐ろしい。

ちゃんと悪い奴はちゃんと変質者だ。

悪意がちゃんと露出している。

 

 

 

 

 

皆から崇め奉られたい独占神を止める為、

オチノカミ(オチの神)が丁度良い所で罪に対する罰を与えてくれているから、

独占神"隣の"が目的を達成する日は来ない。

定年でさようならだ。

さようなら。