いつしか日記

日々の日記。圧倒的に仕事の話。

他罰一族

20220128


金曜日


今日は"隣の"が待ちに待ってたMacの見積もりの日。

 

 

 

 


朝の打ち合わせに取締が出ていた。

声も明るい。

その打ち合わせが終わると、


O「今日は出たんだ」

N「どうしたんだろうね」

 

NO達も不思議がっていた。

取締の機嫌が直ったのだろうか。

 

 

 



 

N「隣のさん、15時からMacだ!って張り切ってたよ」

わたし「天気娘さんからも『張り切ってる』って聞いてます・・・」

N「張り切ってるよー」

 

N、楽しそうじゃねぇか。

 


偶然Nが廊下側のドアを開けると、

N「ばばあ(隣の)が走ってきた」

 

わたし「うわっ」

O「うっわ」

 

奇遇にも2人して出たこの『うわ』は、恐怖と不快感のやつ。

飛ばない無理な虫を目撃した時に出るやつと似ている。

 

 

 

 

 

 


朝礼。

 

今日出しの快速急行社はあと80点くらいらしい。

 

また出荷日なのか。

昨日も出荷日じゃなかった?一昨日?

間隔なさ過ぎ。

今日は応援入れないから頑張りたまへよ。

 

 

 

 

 


10時頃。

 

営業の蛇はタイミングが悪い男で、忙しい時にお喋りに来てしまう。

これぞマイペースというやつ。

Nは愛想良く話を聞いているが、でも出荷日だしで内心焦っているのは分かる。

 

なんでこんな時にも営業の雑談に付き合わなきゃいけないのか。

後ろめたいことでもあるのだろうか。

それはあるだろうな。

 

 

 

蛇の聞かせたい話は、業者から舐められ渋られ、しかし殿が代わって対応に出たら手のひらを返して来た、というものだった。


蛇「世の中カースト社会で動いてんだよ。

肩書きはやっぱり必要だよ。

でも俺は若い衆を助けた方が後後続くと思うんだよな。

若い衆蔑ろにしない方が良いと思うんだけどな。

でもそれで勘違いする輩がいるからね。

『◯◯(弊社呼び捨て)ー!』とか『◯◯(弊社呼び捨て)に出しときゃいいじゃないですか』とか、

保留にしてないで『◯◯(弊社呼び捨て)から電話』とか」

 

N「危険」

蛇「危険だよ」

 

 

Nは営業様(特に蛇)の長話を蔑ろに出来ない。

だから蛇が去った後に「話長ぇんだよ!」と悪態をつく。

聞かれないように気を付けろよ。

 

 

 

 

 

 

 


夕方。

 

Macを買い替える件で馴染みの業者が来社。


業者が操作しながら必要なものを書き出していく。

三代目も買い替えに関わるよう殿からの指示でここにいるが、みんな暇。

 

わたしはもう一台のMacで仕事を始めた。

隣のは三代目に愚痴を聞かせている。

また自分の事は神棚に置いて同僚の悪評を喋っている。

 

 

 

 

業者がいつ頃新しいのを導入するのか質問して来た。

隣のが「Macは買うつもりだけどまだ買わない」と伝えると、

業者「え、まだ購入は先ってことですか?・・・じゃあ僕なんで呼ばれたんですか?」

 

 

この業者の性格上、絶対に言うだろうなと思ってた。

どんどん新しいのが発売されるし、周辺機器ソフトとの互換性があるかないか問題も発生する。

 

隣のにはコンセントが外れていただけで故障だと呼びつけられるから敏感になっている業者。

 

何となくまずい空気を察した隣のは、急に会話の輪から外れた。

 

行き場を失った業者はわたしの方を見る。

わたしは三代目と目を合わせ、

「さあ?」

 

 

 

「見積もりは無料だから呼んだ。」

そんな事はこの業者に言える訳もない。

見積もりも仕事ではあるが、今までの関係性、業者の性格からして腹を立てるだろう。

それは面倒くさい。

 

 

しかし馴染みの業者なので目線で察してくれた。

この業者は隣のからの電話を拒否するくらいには隣のの性格を理解している。

話が早くて助かる。

 

 

 

 

業者「じゃあ、概算で良いですか?Macは本当にこの会社だけなんで、うちで扱ってないんですよ。

うちから更に外注することになるけど、多分今購入しないならって見積もり断られると思うんですよ。

だから僕の方で概算出す形でいいですか」

 

 

この業者はWindowsが得意でMacは得意ではない。

でもうちからはMacの保守を頼んでいる。

なぜこの業者と契約してるのか、何度質問しても隣のに濁される。

 

この業者を通して書体のライセンスも取っているが、業者の営業マンが更新作業がにがてみたいで

催促してるのに毎年ライセンスが切れてしまう問題もある。

 

隣のが見つけた業者らしいが、隣のもなんでこの業者にしたのか分からないらしい。

もう誰にも分からん。

 

 

 

 

 

 


暇過ぎて隣のが身の回りの整理整頓を始めた。

それでなぜか人数をカウントする機械が出てきた。

カチカチするやつ。カウンター。

それを三代目にあげていた。

 

 

三代目「ランボーさんのミスを数えるのにいいじゃないですか笑」

 

 

 

三代目はランボーとバッチバチだ。

 

 

 

大抵の新人は力をつけるまでは先輩とバチバチしないと思うが、三代目は大抵の新人ではない。

生まれた時から社長になる事が決まっていた男だ。

物事が僕の思う通りに行かないとダメなタイプの跡取りである。

良くも悪くもなかなかの他責的な性格をしている。

 

 

そしてランボーも普通の先輩では無い。

任せられる事が狭い範囲で限られていて、それを補うコミュ力も皆無。

その上煽り癖が周囲を苛立たせる。

なかなかの宗教依存症で自分を客観視する環境にいない。

 

 

なかなか者同士、意地になると周囲が動かなくてはいけなくなる。

 

すっかりランボーに夢中になった三代目の方は、

「ミスをカウンターで〜」というキモ〜な発想に至った。

 

腹を立てる三代目の気持ちは分かるけど、

この時点で既に必殺「パパがランボーさんを辞めさせないなら僕(跡取り)が辞める」を繰り出している。

パパ困っちゃう。

 

力技ではあるが周りをコントロールする方法をよく理解している。

 

 

恐らく、優秀な僕ならランボーを変えられる!と、見習いでありながら口を出し始めたものの上手く行かず、

諦め切れない三代目は頭に"ランボーアンテナ"を生やした。

自らストレスを浴びに行っている。

 

 

 


そういえば業者の話を聞いてる最中、

隣の部屋からランボーの名前が聞こえて来た。

それに対して三代目がすぐに振り向いていた。

ランボーの名前に敏感になっている。

 

三代目、もう普通の女じゃ物足りない説。

 

 

 

 

 

 

 


17時前。

業者帰る。

 

最後の最後に三代目が殿の息子だと知ると急におべっかを使うようになった。

そういうパフォーマンスも出来るんだな本来は。

隣のを相手にしてるのしか見た事ないからちょっと態度悪い業者だと思っていた。

隣のが相手じゃそうなるか。そうだった。

 

 

 

そして定年を迎える隣のと最後の挨拶。

 

これなんだろうな。

隣のは付き合いの長いお気に入りの業者に惜しまれたくてどうしても呼び出したかったんだろう。

呼べ呼べと何度もせっつかれている内にそうなんじゃないかと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 


17時過ぎ。

 

また取締の件で凄いことがあったから聞いてくれと言われた。

 

ボス「自分が帰るからって、まだ営業が仕事してるのに事務所のワンワン(エアドッグ)とエアコンの電源消して行ったんだよ。

あたしが事務所戻ったとき何か寒いなーと思ったらエアコン消えてんの!」

 

わたし「えー」

もっとすごい事かと思った。

 

N「普通、人がいたら消さなくない?」

 

ボス「Tナカさん(取締の部下)のPCには『電源ついてました』って付箋貼ってんの」

 

それは怖いですね。

 

ボス「『あたしは帰るから消すけど、使う人がつければ良いでしょ。その代わり消して行ってよね』って事だよ」

 

 

 

取締は波風立たせ中だから、今はどんな事でも非難が集中する。

 

 

取締のやることは隣のや笑い袋と全く違い、幼稚でつまらない。

隣の&笑い袋は破茶滅茶でエンターテイメント性があった。

どれにも巻き込まれたくは無いが。

 

 

 

 

 

 


夕方の休憩。

 

休憩に行こうとすると、取締から「インフォのメール、止まってたのがたくさん入って来ると思うから、関係あるのだけプリントしてくれる?」と仰せつかった。

 

 

インフォメーションは会社のHPからの問い合わせを受け付ける受信先の事。

基本的に迷惑メールしか受信しない。

取締が問い合わせ内容によって振り分けている。

 

事務所で確認出来るが、なぜかわたしの使うPCでもインフォが受信出来るようになっている。

どうやら大昔に隣のが事務員だった名残りでずっと設定されている。

 

 

取締、自分のPCでメール確認すりゃあいいじゃん。

 

・・・なーんて事は思わないけど。

 

 

 

過去の蛇とNの雑談によると、発端は蛇のお客さんからの指摘だった。

 

「余計なお世話かもしれないけど、おたくのHP、問い合わせ受信出来てる?前から送ってるんだけど。」と言われた。

 

さっきの取締の発言からして本当に受信がストップしてたらしく、

ヤベーと思った取締はなんとか責任を分散させようとPC詳しい隊を関わらせ、

後は「あたし分かんないから」と一歩下がれば殿にバレた時の報告は詳しい人達がやると計算している。

今の取締は周りに敵ばかりだから、この状況で失態を晒すわけにいかないのだ。

 

・・・なーんて事は思わないけど。

 

 

 

 

ちなみにわたしはPCに詳しくはない。

詳しくないから検索して調べてるのが詳しそうに見えてるだけ。

 

 

 

 

 

休憩室に行くと、取締はやはり現れない。

ひねくれた日から現れなくなった。

依存先だったボスにまで怒りの矛先が向かっているので現れない。

あんなに良くしてやってたのに仇で返しやがって、という被害者意識があるんだろう。

 

殿(兄)から取締(妹)のご機嫌取りを丸投げされてバランスを取っていただけのボス。

ド贔屓にして強力な味方(ボス)をつけたと勘違いしていた取締。

取締からの愛が重過ぎてその事でいじられ、居心地悪そうだったボス。

 

 

絶対この輪に入りたくないけどなかなか面白い。

 

 

 

 

 


休憩後。

 

Nに加工に入れるか聞かれたが、取締からの依頼が先。偉い人順。

 

インフォにはまだメールが入って来てない。

言いに行くと、取締は「え?知らないな」という顔をした。

確認してないんかい。

 

ここ、言い方に細心の注意を払わないとミスを指摘しに来たみたいに受け取られる可能性が大いにある。

取締は白か黒かでしか相手を判断できない状態だから。

 

わたしよりもPCに詳しいペロリが会話に入って来て、「過去のメールは入らない」と教えてくれた。

この件、先にペロリが関わっていた。

そうだろうとは思ってた。

ここから取締は喋らなくなった。

 

 


ペロリがわたしに「問い合わせのメールが最後に届いたのはいつか見て」と言うので自分の席に戻った。

 

そういう調査すら取締とやってないのか。

空気悪くて出来ないのか。

 

検索したら19年が最後。

 

付いて来たペロリが小声で「2年前に止まってんじゃん。普通気がつかないかね」と嫌味を呟いた。

 

 

いやいや、ペロリさ、もうこの案件はお前の案件へとスライドされたのだよ。

取締喋らなくなったじゃん。一歩下がったんだよ。

 

じゃあ後よろしく。