いつしか日記

日々の日記。圧倒的に仕事の話。

おばパカ

2021.8.18


水曜日。

 

 

 

朝礼前。

おばパカがボスに見つかった。

 

おばば(隣の)の顔をアルパカに合成させたもの。

おばパカ。

 

 

合成する前の、目のサイズと角度を調整している所で見つかった。

ボスがNOも呼び3人で爆笑していた。

笑い袋もこっちを見たが会話に入ろうとはしなかった。

ゾンビの日だ。

 

 

 

 

この前ボスが、

『隣のが決め顔の自撮りを送りつけてきて迷惑』とか、

『一人旅の実況をボスのLINEに入れて来て迷惑』とか、そういう話をしていた。

 

何度も聞いて知ってたけど、何度聞いても悲鳴が上がる。

 

その話の中で、隣のがボスの顔に似てる画像を探してわざわざ見せに来るという話を聞いた時に、

わたしも隣のに似てるアルパカの画像知ってるなと思い出して、

どれだけ違和感ないのか合成してみたくなった。

 

 

 



 

隣のの「N氏〜!N氏いない〜?」と言う声が後ろから聞こえて来た。

画面の写り込みで姿を捉えた。

 

隣の改め、おばパカがひょっこりはんな態勢で顔を出していた。

顔だけ壁から出てて身体は隠れてる。

 

わたしには柵の隙間から顔だけ出してるアルパカ の様に見えた。

 

 

わたし「牧場(一階)から逃げ出して来た」

O「笑」

 

 


Nが戻って来たがまだ朝のを引きずって笑っている。

隣のと会って来たらしい。

呼ばれてたからね。

 

「さっき頭だけ出てたから柵に引っかかってるのかと思った」というと、

笑いを止めたいNが「ほんとに止めてー!」と叫んでいた。

 

 

 

 

 

事務所にFAXしに行くと、

Nがさっき隣のに会った事をボスに話していたみたいだった。

ボス「いっつー!さすが笑 ほんとだ笑 あの人の目アルパカに見えてきた笑」

 

 

隣のの目はまつ毛の毛量+黒のアイラインがガッツリ入ってて真っ黒。

目に光が入っていない。屋内だと特に。

そこがアルパカの粒らな瞳にそっくり。

 

 

ただあの特徴的なバッサバサなまつ毛を残せる技量も時間も無いので特徴が1つ消えそう。

 

 

ボス達が見たのはまだ合成前の段階で、

なんなら1番不細工な瞬間で、

合成したら馴染んじゃってこれ以上の爆発が起こらないんじゃ無いかと複雑な気持ちでいた。

 

 

 

 


10時半頃、

寝坊した三代目が今来たらしい。

事務所に入って行くのが遠目に見えた。

慌てて頭ボサボサなのか、最近パーマ当てたからデザイン性のあるあれなのか見分けがつかなかった。

いつもギリギリに来るからその内遅刻するんだろうと身内以外、誰からも心配されていなかった。

 

 

 

 

この直後、笑い袋にお客さんから電話がかかって来た。

 

電話口で「そうなんですか、すみませんあたし・・・」と言い訳しそうになってた。

 

こういう電話が来た時いつも

「あたし・・・」って一人称入れてからの言い訳に続きそうで冷や冷やする。

 

 

 

奇跡的にボスがその電話を横で聞いていた。

何が奇跡かって、素の笑い袋を見せる事が出来るから。

 

特定の敵わない人に対してはすごいお利口さんな態度を示すんだけど、

その他はベロンベロンに舐めちゃってるから

この二面性を是非見て欲しかった。

 

なにかまずい事が発生した時の笑い袋の行動をとくとご覧あれ。

 

 

 

 

電話を終えた笑い袋。

ボスもNOもいるこの場で「こんな事が〜」と発するタイミングである。

ボスもいるなんて、報告が一度で済む絶好のタイミングである。

 

 

スーッとどこかへ消えた。

 

 

 

 

 

構えていたであろうボスが「すみませんって言ってたね」とこちらを振り向く。

 

 

三代目の寝坊が約2時間。

笑い袋は報告まで2時間を切れるのか。

わたしの中で勝手に競争を始めた。

 

 

 

 

 

 


笑い袋の動向も気になるが、わたしには別の任務があった。

ここからは隣のが暴走しないか見張る話。

 

 

今日はフィルム屋の対応を"隣の"がすると言い出したらしい。

フィルムってのは

データ→フィルム→版→印刷

って順番の2番目の工程。

無いと印刷出来ないから重要なもの。

 

 

盆休み前に話し合ったフィルムのズレの件で、

"隣の"はフィルム屋に聞きたい事があると。

 

隣のの都合良くこっちに伝えられても困るので

わたしも立ち会えるように事務員に話を通した。

 

 

 


わたし「うちが悪いんですよ。昔のフィルムと組み合わせるから。時間経過で変形も起こるってハッキリ言われてますもん」

 

ボス「そうだよ。それでいうと全版取れない営業が悪いんだけど、

お客さんも『社名変更だから文字版だけだね』って分かってるからそれも難しいんだよね」

 

わたし「そうですよね。

隣のさん前任者だからこのズレの事も知ってたはずですよ。昔も同じ問題にぶち当たってフィルム屋に確認してましたよ。その結果を隣のさんから聞きましたもん。

今更ズレが起きない様にとか、うちの事情を言われてもフィルム屋は『知らんがな』って言うと思いますよ」

 

 

 

時間経過と共に縮みが発生すると言う説明は、

紙の材料を扱ってる弊社なのでみんな理解出来た。

隣の以外。

 

 

隣のは1つの事が気になったら他の事が手に付かなくなる。

絶対に止まらないので、

・(面倒臭いから)放っておく

・(面倒臭いから)付き合ってあげる

・(騒ぎを起こすから)監視する

 

の3択になる。

 

・止めさせる

もあるけど、これが1番面倒臭い。

権力のある人の言う事は文句言いながらも一応は聞くけど、

色んな人に「虐めだ!あたしだからって止めさせるんだ!他の人なら・・・」を愚痴り回るのに半日は要する。

 

男性陣は『(面倒臭いから)付き合ってあげる』を選択するから各方面の手を止める事になる。

 

愚痴が終わると復讐を企ててくるから『止めさせる』というこの選択が1番面倒。

 

 

 

 

 


11時。

フィルム屋その1が来た。

隣のが猪突猛進な勢いでわたしに気が付かずに横を通り過ぎて行った。

ほとんど前方を見ずに走るタイプの人。

 

隣のはわたしがすぐ後ろを付いて行ってるのに気づいてない。

だからドアは自分の分しか開けず(元々こういう人なんだけど)

わたしは続く事が出来ない。

 

でもそのストッパーのおかげで別の作戦が浮かんだ。

ドアが閉まるのをそのまま見送って

ドアの前で聞き耳を立ててみた。

 

久しぶりの再会に長めの世間話に発展する可能性もあるので様子を伺って、

回答が聞けた時点でそっと立ち去る事にした。

 

 

 

 

しばらくするとトイレに来たオタプリとバッタリ出くわした。

 

わたしは指で「しーっ」とするが、

オタプリは遊んでると思って同じく聞き耳を立てる。

 

オタプリ「何?何?」

喋るなって。

 

オタプリ「何?何?」

あとで話すから!喋るな!

 

 

 

 

 

フィルム屋その1

「共用してるフィルムと合わせたい?無理だよ。一緒に出力させてよ」

的な事を笑われながら言われてた。

 

 

フィルム屋その2が来るまで仕事に戻ろうとすると、

その1と入れ替わりでフィルム屋その2が来たと言われてドアの前まで走った。

 

 


結局どっちのフィルム屋も出力のロットが違う物と合わせるのは無理だと。

その時その時で材料の具合も違うし熱の違いにも敏感だと。

出力機械本体の劣化もあるのかなと思った。

わたしが生まれる前から稼働してるんじゃないかな。

 

 

 

 

任務が終わり、天気娘のところに寄る。

ざっくりフィルムのズレの事情を話して理解を得る。

仕事として必要な説明でもあるし、

隣のが天気娘に愚痴ると思われるので齟齬が生まれない様先に答えを教えといた。

 

 

そんな事より天気娘は、

笑い袋にコッソリ急ぎを置いとかれた件のその後が気になっている様子。

昨日黙って18日(今日)出しで、

『早めにやってもらえるとたすかります』とコメント書いて置いとかれたやつの件。

 

 

天気娘「必死こいて上げたのに結局なにも言って来ないよ(怒)」

 

わたし「Nさんにも『天気娘さんこれから健康診断もあるのに黙って置いてったみたい』って言ったから気にしててくれたんですけど、

天気娘さんソレ夕方に上げてくれたらしいじゃないですか」

 

天気「上げたよ!(怒)」

 

わたし「上がって来たのをそのまま加工の棚に置いて何も手つけてないらしいです。

笑い袋さん自分が無理だって判断して納期変えたみたいなんですよ」

 

呆れて声も出ない天気娘。

 

天気「・・・それ以外の話はしに来るんだけどね。『お陰で間に合いました』とか何も言ってこない。

もうあえて何も言わないよ」

 

わたし「間に合わせて無いですもん笑

『よろしく』とか『ありがとう』とか言うのが嫌なのかな?」

 

 

ポジティブな慰めが思いつかない。

前にもこんな事があったから。

すでに注意されてるはずなのにやっぱり知らんぷり。

 

笑い袋は自分の都合の為に他人を道具扱いしているように思える。

『道具がなんかケチつけてくる』程度の感覚。

隣のと接してる時も"他人も人間"って事を考えた事が無いなんだろうと思っていた。

自分本位がすごいぞって事。

 

知らんぷりと言えばさっきの電話の件どうしたかな。

 

 


わたし「それの報いなのか、さっきもお客さんから電話来て何かあったみたいでした。

奇跡的にボスさんもその電話聞いてたんで今回は逃げられないと思いますよ。

・・・報告するタイミングを自ら逃してたからなんとも言えないですけど。

毎度毎度懲りずに、怒られるから後回しにして、あわよくば『ケチ』をつけてくるNさんが忘れてくれればって思ってるんですよ」

天気「子どもか」

 

 

 

 

 

 


自分の作業部屋に戻ると突然のゲリラ豪雨

笑い袋が来て「雨すごいです」と話しかけてきた。

わたしが世間話のような感じで返事を返したから笑い袋がご機嫌になってしまった。

別に取りたくないけど笑い袋のご機嫌を取るのは『い』の書き順を覚えるのと同じくらい簡単。

 

このテンションを見てさっきの電話の件、

記憶改変したかもな。と感じた。

 

 

 

 

 



 

ボス「あ、いっつーさっきのどうなった?」

 

わたし「フィルムのですか?結局『難しい』って言われましたよ」

 

ボス「そしたら?」

 

わたし「(隣のは)大人しくなった」

 

ボス「なんだよ!笑 そうだよねえ難しいよね」

 

 

 

会話が終わると天気娘がボスを捕まえた。


天気「ねえ聞いてよ!笑い袋さん(が)!」

 

ボス「え?」

 

天気「昨日急ぎだって何も言わずに置いてあって」

 

ボス「ああ、聞いた」

 

天気「あたし14時から出なきゃいけなかったから忙しくって」

 

ボス「だよねえ!」

 

天気「戻ったらアレやらなきゃ!パートさんにはアレの下準備進めてもらわなきゃ!って急いでやって、夕方には上げて、

残業時間に笑い袋さんが加工すれば終わるだろうと思ったのに、

聞いたら手つけてないんだって?あたし急いでやったのに!お礼まではいいけど、なんかあるだろ!」

 

ボス「カスも剥いてなかったよ」

1mmも手つけてないって意味。

 

わたし「え!?(部下の)パートさんが休みだから?」

パートさんがいなきゃ何も出来ないって嫌味を大いに含めて。

 

天気「そうだよ!」

 

わたし「あ、昨日ラミネートそんなに数無かったはずなのに時間かかってて、Nさん達が『お喋りしてるの聞こえた』って言ってました」

 

呆れたボス「・・・なんなんだろうね。やる気が無いよね」

 

天気「給料もらってんだからちゃんとやってよ!って」

 

ボス「あたしわざと棚見て『あれ?これ今日出荷になってるけど大丈夫なの?』って聞いてみようか?」

 

わたし「『営業さんの予定が突然代わって〜』って言いますよ」

 

天気「言うね」

 

ボス「営業さんお昼には出ちゃったよ」

嘘つかれても確認出来ないという事。

笑い袋は強か。

 

 

 


そしてボスはまたすぐに別の所で捕まった。

今度は材料倉庫で材料切ってる隣のが相手。

 

多分フィルムのこと。

 

いちいち偉そうな立ち方で喋る隣のを見て爆笑する天気娘とわたし。

 

机に片手置いて腰に手を当てて踏ん反り返ったり、

両手を腰に当てて踏ん反り返ったり。

わたしが見た時には両腕を前で組んでいた。

どうしようもない事に怒ってるみたいな勢いを感じる。

 

ボスがこっちを向いてるから

今朝のおばパカの画像があればこのガラス越しにイタズラ出来たのに。