いつしか日記

日々の日記。圧倒的に仕事の話。

おばパカ

2021.8.18


水曜日。

 

 

 

朝礼前。

おばパカがボスに見つかった。

 

おばば(隣の)の顔をアルパカに合成させたもの。

おばパカ。

 

 

合成する前の、目のサイズと角度を調整している所で見つかった。

ボスがNOも呼び3人で爆笑していた。

笑い袋もこっちを見たが会話に入ろうとはしなかった。

ゾンビの日だ。

 

 

 

 

この前ボスが、

『隣のが決め顔の自撮りを送りつけてきて迷惑』とか、

『一人旅の実況をボスのLINEに入れて来て迷惑』とか、そういう話をしていた。

 

何度も聞いて知ってたけど、何度聞いても悲鳴が上がる。

 

その話の中で、隣のがボスの顔に似てる画像を探してわざわざ見せに来るという話を聞いた時に、

わたしも隣のに似てるアルパカの画像知ってるなと思い出して、

どれだけ違和感ないのか合成してみたくなった。

 

 

 



 

隣のの「N氏〜!N氏いない〜?」と言う声が後ろから聞こえて来た。

画面の写り込みで姿を捉えた。

 

隣の改め、おばパカがひょっこりはんな態勢で顔を出していた。

顔だけ壁から出てて身体は隠れてる。

 

わたしには柵の隙間から顔だけ出してるアルパカ の様に見えた。

 

 

わたし「牧場(一階)から逃げ出して来た」

O「笑」

 

 


Nが戻って来たがまだ朝のを引きずって笑っている。

隣のと会って来たらしい。

呼ばれてたからね。

 

「さっき頭だけ出てたから柵に引っかかってるのかと思った」というと、

笑いを止めたいNが「ほんとに止めてー!」と叫んでいた。

 

 

 

 

 

事務所にFAXしに行くと、

Nがさっき隣のに会った事をボスに話していたみたいだった。

ボス「いっつー!さすが笑 ほんとだ笑 あの人の目アルパカに見えてきた笑」

 

 

隣のの目はまつ毛の毛量+黒のアイラインがガッツリ入ってて真っ黒。

目に光が入っていない。屋内だと特に。

そこがアルパカの粒らな瞳にそっくり。

 

 

ただあの特徴的なバッサバサなまつ毛を残せる技量も時間も無いので特徴が1つ消えそう。

 

 

ボス達が見たのはまだ合成前の段階で、

なんなら1番不細工な瞬間で、

合成したら馴染んじゃってこれ以上の爆発が起こらないんじゃ無いかと複雑な気持ちでいた。

 

 

 

 


10時半頃、

寝坊した三代目が今来たらしい。

事務所に入って行くのが遠目に見えた。

慌てて頭ボサボサなのか、最近パーマ当てたからデザイン性のあるあれなのか見分けがつかなかった。

いつもギリギリに来るからその内遅刻するんだろうと身内以外、誰からも心配されていなかった。

 

 

 

 

この直後、笑い袋にお客さんから電話がかかって来た。

 

電話口で「そうなんですか、すみませんあたし・・・」と言い訳しそうになってた。

 

こういう電話が来た時いつも

「あたし・・・」って一人称入れてからの言い訳に続きそうで冷や冷やする。

 

 

 

奇跡的にボスがその電話を横で聞いていた。

何が奇跡かって、素の笑い袋を見せる事が出来るから。

 

特定の敵わない人に対してはすごいお利口さんな態度を示すんだけど、

その他はベロンベロンに舐めちゃってるから

この二面性を是非見て欲しかった。

 

なにかまずい事が発生した時の笑い袋の行動をとくとご覧あれ。

 

 

 

 

電話を終えた笑い袋。

ボスもNOもいるこの場で「こんな事が〜」と発するタイミングである。

ボスもいるなんて、報告が一度で済む絶好のタイミングである。

 

 

スーッとどこかへ消えた。

 

 

 

 

 

構えていたであろうボスが「すみませんって言ってたね」とこちらを振り向く。

 

 

三代目の寝坊が約2時間。

笑い袋は報告まで2時間を切れるのか。

わたしの中で勝手に競争を始めた。

 

 

 

 

 

 


笑い袋の動向も気になるが、わたしには別の任務があった。

ここからは隣のが暴走しないか見張る話。

 

 

今日はフィルム屋の対応を"隣の"がすると言い出したらしい。

フィルムってのは

データ→フィルム→版→印刷

って順番の2番目の工程。

無いと印刷出来ないから重要なもの。

 

 

盆休み前に話し合ったフィルムのズレの件で、

"隣の"はフィルム屋に聞きたい事があると。

 

隣のの都合良くこっちに伝えられても困るので

わたしも立ち会えるように事務員に話を通した。

 

 

 


わたし「うちが悪いんですよ。昔のフィルムと組み合わせるから。時間経過で変形も起こるってハッキリ言われてますもん」

 

ボス「そうだよ。それでいうと全版取れない営業が悪いんだけど、

お客さんも『社名変更だから文字版だけだね』って分かってるからそれも難しいんだよね」

 

わたし「そうですよね。

隣のさん前任者だからこのズレの事も知ってたはずですよ。昔も同じ問題にぶち当たってフィルム屋に確認してましたよ。その結果を隣のさんから聞きましたもん。

今更ズレが起きない様にとか、うちの事情を言われてもフィルム屋は『知らんがな』って言うと思いますよ」

 

 

 

時間経過と共に縮みが発生すると言う説明は、

紙の材料を扱ってる弊社なのでみんな理解出来た。

隣の以外。

 

 

隣のは1つの事が気になったら他の事が手に付かなくなる。

絶対に止まらないので、

・(面倒臭いから)放っておく

・(面倒臭いから)付き合ってあげる

・(騒ぎを起こすから)監視する

 

の3択になる。

 

・止めさせる

もあるけど、これが1番面倒臭い。

権力のある人の言う事は文句言いながらも一応は聞くけど、

色んな人に「虐めだ!あたしだからって止めさせるんだ!他の人なら・・・」を愚痴り回るのに半日は要する。

 

男性陣は『(面倒臭いから)付き合ってあげる』を選択するから各方面の手を止める事になる。

 

愚痴が終わると復讐を企ててくるから『止めさせる』というこの選択が1番面倒。

 

 

 

 

 


11時。

フィルム屋その1が来た。

隣のが猪突猛進な勢いでわたしに気が付かずに横を通り過ぎて行った。

ほとんど前方を見ずに走るタイプの人。

 

隣のはわたしがすぐ後ろを付いて行ってるのに気づいてない。

だからドアは自分の分しか開けず(元々こういう人なんだけど)

わたしは続く事が出来ない。

 

でもそのストッパーのおかげで別の作戦が浮かんだ。

ドアが閉まるのをそのまま見送って

ドアの前で聞き耳を立ててみた。

 

久しぶりの再会に長めの世間話に発展する可能性もあるので様子を伺って、

回答が聞けた時点でそっと立ち去る事にした。

 

 

 

 

しばらくするとトイレに来たオタプリとバッタリ出くわした。

 

わたしは指で「しーっ」とするが、

オタプリは遊んでると思って同じく聞き耳を立てる。

 

オタプリ「何?何?」

喋るなって。

 

オタプリ「何?何?」

あとで話すから!喋るな!

 

 

 

 

 

フィルム屋その1

「共用してるフィルムと合わせたい?無理だよ。一緒に出力させてよ」

的な事を笑われながら言われてた。

 

 

フィルム屋その2が来るまで仕事に戻ろうとすると、

その1と入れ替わりでフィルム屋その2が来たと言われてドアの前まで走った。

 

 


結局どっちのフィルム屋も出力のロットが違う物と合わせるのは無理だと。

その時その時で材料の具合も違うし熱の違いにも敏感だと。

出力機械本体の劣化もあるのかなと思った。

わたしが生まれる前から稼働してるんじゃないかな。

 

 

 

 

任務が終わり、天気娘のところに寄る。

ざっくりフィルムのズレの事情を話して理解を得る。

仕事として必要な説明でもあるし、

隣のが天気娘に愚痴ると思われるので齟齬が生まれない様先に答えを教えといた。

 

 

そんな事より天気娘は、

笑い袋にコッソリ急ぎを置いとかれた件のその後が気になっている様子。

昨日黙って18日(今日)出しで、

『早めにやってもらえるとたすかります』とコメント書いて置いとかれたやつの件。

 

 

天気娘「必死こいて上げたのに結局なにも言って来ないよ(怒)」

 

わたし「Nさんにも『天気娘さんこれから健康診断もあるのに黙って置いてったみたい』って言ったから気にしててくれたんですけど、

天気娘さんソレ夕方に上げてくれたらしいじゃないですか」

 

天気「上げたよ!(怒)」

 

わたし「上がって来たのをそのまま加工の棚に置いて何も手つけてないらしいです。

笑い袋さん自分が無理だって判断して納期変えたみたいなんですよ」

 

呆れて声も出ない天気娘。

 

天気「・・・それ以外の話はしに来るんだけどね。『お陰で間に合いました』とか何も言ってこない。

もうあえて何も言わないよ」

 

わたし「間に合わせて無いですもん笑

『よろしく』とか『ありがとう』とか言うのが嫌なのかな?」

 

 

ポジティブな慰めが思いつかない。

前にもこんな事があったから。

すでに注意されてるはずなのにやっぱり知らんぷり。

 

笑い袋は自分の都合の為に他人を道具扱いしているように思える。

『道具がなんかケチつけてくる』程度の感覚。

隣のと接してる時も"他人も人間"って事を考えた事が無いなんだろうと思っていた。

自分本位がすごいぞって事。

 

知らんぷりと言えばさっきの電話の件どうしたかな。

 

 


わたし「それの報いなのか、さっきもお客さんから電話来て何かあったみたいでした。

奇跡的にボスさんもその電話聞いてたんで今回は逃げられないと思いますよ。

・・・報告するタイミングを自ら逃してたからなんとも言えないですけど。

毎度毎度懲りずに、怒られるから後回しにして、あわよくば『ケチ』をつけてくるNさんが忘れてくれればって思ってるんですよ」

天気「子どもか」

 

 

 

 

 

 


自分の作業部屋に戻ると突然のゲリラ豪雨

笑い袋が来て「雨すごいです」と話しかけてきた。

わたしが世間話のような感じで返事を返したから笑い袋がご機嫌になってしまった。

別に取りたくないけど笑い袋のご機嫌を取るのは『い』の書き順を覚えるのと同じくらい簡単。

 

このテンションを見てさっきの電話の件、

記憶改変したかもな。と感じた。

 

 

 

 

 



 

ボス「あ、いっつーさっきのどうなった?」

 

わたし「フィルムのですか?結局『難しい』って言われましたよ」

 

ボス「そしたら?」

 

わたし「(隣のは)大人しくなった」

 

ボス「なんだよ!笑 そうだよねえ難しいよね」

 

 

 

会話が終わると天気娘がボスを捕まえた。


天気「ねえ聞いてよ!笑い袋さん(が)!」

 

ボス「え?」

 

天気「昨日急ぎだって何も言わずに置いてあって」

 

ボス「ああ、聞いた」

 

天気「あたし14時から出なきゃいけなかったから忙しくって」

 

ボス「だよねえ!」

 

天気「戻ったらアレやらなきゃ!パートさんにはアレの下準備進めてもらわなきゃ!って急いでやって、夕方には上げて、

残業時間に笑い袋さんが加工すれば終わるだろうと思ったのに、

聞いたら手つけてないんだって?あたし急いでやったのに!お礼まではいいけど、なんかあるだろ!」

 

ボス「カスも剥いてなかったよ」

1mmも手つけてないって意味。

 

わたし「え!?(部下の)パートさんが休みだから?」

パートさんがいなきゃ何も出来ないって嫌味を大いに含めて。

 

天気「そうだよ!」

 

わたし「あ、昨日ラミネートそんなに数無かったはずなのに時間かかってて、Nさん達が『お喋りしてるの聞こえた』って言ってました」

 

呆れたボス「・・・なんなんだろうね。やる気が無いよね」

 

天気「給料もらってんだからちゃんとやってよ!って」

 

ボス「あたしわざと棚見て『あれ?これ今日出荷になってるけど大丈夫なの?』って聞いてみようか?」

 

わたし「『営業さんの予定が突然代わって〜』って言いますよ」

 

天気「言うね」

 

ボス「営業さんお昼には出ちゃったよ」

嘘つかれても確認出来ないという事。

笑い袋は強か。

 

 

 


そしてボスはまたすぐに別の所で捕まった。

今度は材料倉庫で材料切ってる隣のが相手。

 

多分フィルムのこと。

 

いちいち偉そうな立ち方で喋る隣のを見て爆笑する天気娘とわたし。

 

机に片手置いて腰に手を当てて踏ん反り返ったり、

両手を腰に当てて踏ん反り返ったり。

わたしが見た時には両腕を前で組んでいた。

どうしようもない事に怒ってるみたいな勢いを感じる。

 

ボスがこっちを向いてるから

今朝のおばパカの画像があればこのガラス越しにイタズラ出来たのに。

 

 

 

 

無責任の法則

2021.8.17


火曜日。

 

 

小町&笑い袋担当のお客さんからの新規を作ってると、

仕様書の情報が足りてなくて進められなくなった。

 

 

わたし「これ型何面?」

笑い「・・・・・・・・・」

わたし「?? 何面?」

笑い「・・・9面・・・?」

 

 

9面では型作らないだろ絶対に。

型屋からえらい高い請求書が届くぞ。

縦か横か知らないけど3面が無難なところ。

 

笑い袋が言う『9面』というのは印刷が3×3の9面付と仕様書に書いてあるから。

わたしが知りたいのは外形を抜く型を何面で型屋に注文したのか。

わたしが作ってるデータは全ての工程に関係する。

当たり前だけどデータが全てと一致してないと製品が作れなくなる。

 

 

笑い袋はプライドと面倒臭い事から逃げる癖のせいで知識を付けてこなかった。

日々知ったかで頑張っている。

 

 

わたし「・・・9面?」

笑い「9面って書いてある・・・」

 

 

確かにこの仕様書を書いたのは営業の小町さん。笑い袋では無い。

でも補佐は笑い袋。

社内に精通してる(はずの)補佐は、

工程がスムーズに進む様に不備がないかチェックする係。

 

仕様書は書いた人のハンコと、それをチェックする補佐のハンコを捺して完成する。

 

 

営業から仕様書を渡された笑い袋はそのままの手でわたしに「いつしかせんせぇ〜えい、こんな新規が入ってきます」と渡す。

 

担当の製品なんだから少しは見なよと

何度かチェックのハンコを捺してからこっちに渡すよう注意した事があるが、

絶対にハンコを捺さない。

苦笑いして逃げてしまう。

責任を負う事になると分かってるから捺したくない。

 

 

 

今回の型面付問題は知らないきゃまずい事って意識はあるみたいで、

素直に分からないとは言ってこない。

何か言わなきゃってトンチンカンな事を言い出す。

 

 

 

一方でいつしかさんは柔軟な人。

「笑い袋がそういうなら」と型9面として作業を続行する。

間違ってる気がするけど柔軟だから

"笑い袋の指示で作業する"。

 

笑い袋は慌てて類似製品を取りに行った。

責任は笑い袋ね、という雰囲気を出すとすぐ動いてくれる。

 

理科でいう、無責任の法則。

穴の空いたお皿に責任を乗せると

普通は穴から流れ出るんだけど、

穴を塞ぐ事により責任は流れていかない。

しかし無責任の力が加わると穴を塞ぐ物を笑顔のまま必死こいて退かして責任を流してしまう。

これが無責任の法則。

 

 

 

類似を持って戻ってきたが、

何も類似点が無い製品の仕様書を持って来た。

加工の工程まで違う。

外形型の質問してるのに型を使わない製品を持って来てどうする。

 

 

 

 

 

 

 

現場に行くと天気娘が笑い袋の被害者の会を開催。

ちなみに天気娘はこの後健康診断があるから現在昼抜きで空腹中。

 

 

天気「やられたよ!これ。何も言わずに置いていったの!」

 

笑い袋の字で『早めにやってもらえるとたすかります』とコメントが書かれていた。

 

天気「18日っていつだよ?明日じゃん!」

わたし「明日なのに口答じゃなかったんですか?この後天気娘さん健康診断行くから作業止まるのに」

天気「そうだよ!」

わたし「昨日の報告書と同じ事になってますよ。

『置いたんだから後はその人の責任でーす』って。

昨日の話は毛ゴミが混入してた不良の件なんですけど、

原因は笑い袋さんだったけど、出荷検査したのがパートさんだったってNさんに言ったら

『流出の所はパートさんに対策書かせていいよ』って言われたもんだから今朝、そのパートさんの机にバーン!と報告書置かれてたんですよ。

Nさんはそんな極端な事をしろって言った訳じゃないと思うんですけど」

天気「考え方が人と違うのね。

あたし隣のさんに言ってるけど、『腐っても社員でしょ!』って」

笑い袋にも同じ事が言えるわね!のニュアンス。

 

どんどん言ってやって。

 

 

 

 

 


夜。

流出させたのは自分じゃない=パートさんが出した不具合

という事で昨日と打って変わって、堂々とした態度で報告書を再提出して来た笑い袋。

この態度はもう他人事と化してる時のだ。

 

 

 

 

演出家へのお願い

2021.8.16

 


月曜日。盆休み明けの月曜日・・・



たださえ憂鬱なのに

着いてすぐに笑い袋がまだ引きずってるのが分かった。

自分にケチをつけてくる上司のNを避けている。

 

 

 

全員を警戒しているのか、ただの人間不信なのか、

『お姉たま』のわたしにも挨拶がなかった。

無視ではなくボソボソっとは言ってる。

 

それだけで憂鬱さが少し吹き飛んだ。

ありがとうLOWテンション。

 

アタシ達仲良しだよね!という一方的な負荷が無い日は気分が軽やか。

 

 

 

しかし避けるとしてももうちょっとバレない努力した方が円滑にならんか、と見てて思う。

 

『朝避けちゃったけど今は冷静になった。

午後からはちゃんと普通に接しよう』でもない。

笑い袋はずーーーっと引きずっている。

引きずるというより設定を変えたって感じ。

また設定し直さない限り態度はそのまま。

 

ちょっと雰囲気漏らしてるくらいなら大人だから気にしてないようにしてくれるだろうけど、

盛大に漏らしてたら触れざるを得ないじゃんね。

 

 

 

 

 

 

 


今日は殿の不調?でズラした会議がある日。

 

会議があるという事は、近々各部署でミーティングを開催するということ。

ミーティングって言ったら笑い袋の件がメインになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

朝礼が終わると何かしに隣のが現れた。

笑い袋はゾンビみたいに暗かったが、

大好きな"隣の"の姿を見て一瞬で元気を取り戻した。

 

 

あーぁ。

騒がしいテンションが戻って来てしまった。

 

 

 

隣のに対しては入社してすぐに友達のようなフランクな喋り方をしていた笑い袋。

 

いや、友達なら対等。

笑い袋のは大いに見下した喋り方。

 

 

笑い袋は敬語が使えない訳ではない。

隣のには使わなくて良いと判断した時期が早かった。

Nは2人の会話を聞いて

「隣のさんは偉い人なんだからその喋り方はダメだ」と教えたらしいが全く直していない。

 

これまた笑い袋の中ではわざわざ設定し直さないと変更出来ない仕様なのかもしれない。

 

 

"隣の"も流石に分かってるようで、

あまりにも馬鹿にした喋り方に「あたしナメられてるよね?」と気にしていた。

しかし笑い袋に注意した事は無い。

 

昔の鋭い牙の隣のだったら大変な事になっていたが、

今は歳も取り、色々あって牙も丸くなった(抜けてはない)ので気にしない方向でやり過ごすらしい。

 

 

わたしも笑い袋からの『先生』『お姉様』「お姉たま』呼びを注意しないでいるからあーだこーだは言わない。

 

そのまま他人に違和感を与える存在であってくれって意味で放置してる。

 

注意した所で直りはしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

結局また憂鬱な月曜日になってしまったが、

笑神様は突然舞い降りた。

笑い袋がまた選択を間違えた話。

 

 

 

朝から俯いて何か書き物をしていた笑い袋がパッと顔を上げ、ソワソワし始めた。

(報告書が書き終わってNに見てもらうタイミングを探ってソワソワしてるなきっと)

 

Nは目の前の席にいるがなかなか声をかけない笑い袋。

Nが物を探しに一瞬だけいなくなると、

笑い袋は立ち上がって抜き足差し足忍び足になり、Nの机の前に来ると周囲を見回した。

(『捜したんですけどぉNさんいなかったのでぇ』の証拠の為の演出ですね)

 

見回した近くには画面の写り込みで全てが見えているわたしと、

Nの隣の席で笑い袋の行動を気にしない様にしているOがいる。

 

笑い袋はNの机に"何か"を置いてスッキリした様に部屋を出て行った。

 

 

 

わたしは必死に堪えていた笑いを解放した。

 

 

わたし「何置きました?」

O「報告書」

わたし「やっぱり笑 画面の写り込みで全部見えててキツいんですけど笑

あの人動きコミカルだから全部漫画の擬音が頭上に見えてて可笑しい」

 

 

ソワソワしてる時は某漫画の『ざわ・・』みたく

『ソワソワソワソワ』って擬音が視覚的に見えた。

ソワソワしてます!って主張が強い。

 

抜き足差し足忍び足の時は『そろーっ』という擬音が見えていた。

コメディなタッチの時に描かれているあの『そろーっ』が。

それも主張が強い。

 

周囲を見回した時もちゃんと『キョロッキョロッ』が頭上に見えていた。

強い。

 

いちいち演出がオーバーである。

 

 

実は笑い袋の第一印象が『舞台役者目指してた人かな?』だった。

 

極度の笑い上戸という無理な設定を自分に課して入社して来た時は変な処世術する人だなと思ったけど、

本人に確認したら演劇はやってないと。

 

自分で擬音を口にしながら行動する事が多く、

そういう演出癖があるだけみたいだった。

 

 

 

 

わたしは煩くて大袈裟な人にはあまり関われないタイプだけど、

ただ見てる分には面白かった。

爆笑だった。

 

関われないけど。(2回目)

 

 

 

 

 

わたし「なんか青いの貼ってません?」

写り込みで青い付箋が貼られているのが見えていた。

 

O「『Nさんよろしくお願いします』だって」

やはり報告書に貼ってあるらしい。

 

わたし「え、初めから直接渡す気ないじゃ無いですか」

 

 

 

すぐにNが戻って来て状況を把握する。

 

Nは腹を立てた。

N「じゃああたしも報告書に却下って書いて置いとけば良いんだ?」

 

そんなに話したくないっていうならそれが配慮なのかもしれない。

ただなぜ却下なのかは自分で考えないといけなくなるけど。

 

 



Nは『却下』という意味で笑い袋の机に報告書を置いてやり返していたが、

冷静になったようで再び引き取って自分の机に戻していた。

 

 

 

 


昼。

部屋にNがいるから一度もメールチェックに来ない笑い袋。

 

わたし「大丈夫なのかよ」

もちろん笑い袋の事を心配している訳ではない。

N「ボスさんいる時に来ないかな・・・」

 

ボスさんがいたら反省する演技するに決まってるじゃん。

 

 

笑い袋の態度はさっきボスに報告していた。

今日1日だけの日記だと足りないけど、

笑い袋の自分ファースト過ぎる行動には周囲の嫌悪感がブックブクに湧いて肉を溶かすほどになっている。

 

 

 

 

 

 

 

Nがいない隙に部屋に入って来た笑い袋。

Nが狙って後から入室し、エンカウントした。

 

 ▶︎たたかう

  どうぐ

  にげる

 

N「笑い袋さん、ただ置いて行かれても分からない。説明はしてくれないの?」

笑い袋「はい!します!笑 すみません!笑」

N「説明もなく報告書だけ置かれても、どうかと思うんだけど」

 

笑い袋、説明する準備に忙しいフリしてNの文句を無視する事に成功した。

口煩い親扱いである。

 

 

N「図面とか現物とかつけるんじゃ無かったっけ?これはもちろん営業にも話したんだろうし(話し合ったとは思ってない)、誰が誰に伝わってんのか分からないけど」

 

笑い袋は口煩い親の話は聞こえてないかのように淡々と自分の説明を始める。

 

 


笑い袋「今回は交換だけで〜(代納扱いじゃないんですよ)」って軽い感じで言ってるけど、

代納と交換ってどう違うの?

交換が必要な事態って対策の対象じゃないのか?

 

「今回は代納扱いじゃなくて、交換なんですよぉ!」

と言われればセーフな様にも聞こえる。

NOが騙されそう?になって勢いが止まりかけてたから聞いてみた。

 

 

わたし「交換と代納って違うんですか?」

O「いや、どっちも不良品扱いだよ」

N「ミスはミスよ」

 

なんかハッとしたように見えたのは放っておこう。

NOのエンジンがかかった。

 

 

 

・不具合品の『代わり』に良品を『納入』します。

・不具合品と良品を『交換』します。

 

実際やってる事は同じ。

詐欺師の口上だ。

 

 

 

 

 

 


残業時間。

Nが笑い袋を報告書の事で捕まえた時に

「すごい事言ってたよ」と繰り返し言うから期待した。

 

 


内容はラミネート中の毛ゴミ問題。

笑い袋がラミネートしたやつ。

毛ゴミが全く入らない事も多いが、毛ゴミ0に出来るという保証もない。

でもお客さんは毛ゴミが無い物が欲しい訳だから発生原因と流出原因を対策しないといけない。

 

一応、服の繊維とか入らないように給食当番みたいな格好でラミネートをやってるが、

デカい毛が入っていたと笑い袋担当のお客さんから連絡が来た。

 

 

笑い袋が書いて来たのは

・発生の原因が古いラミネートでやったから。

・対策は新しいラミネート機でやる

 

 

 

N曰く、

「新しいからってゴミが入らない訳じゃない」

 

わたしは扱った事が無いから詳しくは知らないけど、

新しいって言っても浮遊するゴミを除去する機能が搭載されている訳でも無い。

ただ新しいだけ。

古いのも同じ空間に置いてあって新しいラミネート機の方にゴミを近付かせない電磁波が出てる訳でも無い。

ただ新しいだけ。

 

わたしからも「新しいのだっていつまでも新しいままじゃない。何回使ったら"新しい"じゃ無くなるのか決めないとお客さんによっては突っ込まれますよ。

"新しい"が無くなったら"新しい"の買ってもらえるんですか?」

 

素朴な疑問を投げかけた。

 

 

 


そして流出の原因が検査の見落とし。

対策が『ライト板を使う。』

 

 

ボス「なぜ毛ゴミでライト板?」

わたし「別の対策でライト板って書いてましたよね?」

ボス「裏に貼る両面テープの不良の時だよ。今回は毛ゴミだし」

わたし「"対策"の使い回し笑」

 

ライトで照らした所でなんなん?という。

 

 

①印刷が終わった紙をライト板に置きます。

②ライトで毛ゴミに光を吸収させます。

③ライトをOFFにしたら毛ゴミが光ります。か?

 

 

「普通に天井からの蛍光灯で見えるけど。

検査中目でゴミを捉えなかっただけの話だと思うが。」

というボスの見解。

 

 

原因に対しての対策が大袈裟。

そして装飾がトンチンカン。

演出癖が出てる。

これまた直らないやつよ。

 

 

 

 

 

 

Nの『すごい事言ってたよ』はここから。

 


『隣のさん(前任者)の頃から何度も交換という形でやって来ている。

あたし(笑い袋)はそろそろ対策が必要かなと思い自ら報告したまで』だと言ってきたらしい。

 

 

Nは喋りたい事だけ喋ってその他の前後の内容や状況等は聞き出さないと分からない。

 

だから状況は想像だけど、

Nに何か言われそうになって咄嗟に自分に非はない事を主張した時に出たセリフだと思われる。

 

 

笑い袋は元々交換の多い製品だと知っていた。

でも前任者の意思をそのまま引き継いで

何度も不具合を送り続け、その度に交換していると。

 

 

散々隣ののやり方を真似するなと教えられ、

笑い袋自身も隣のの事は見下した態度で接しているのに、

都合の悪い時だけ隣のの陰に隠れようとする。

 

 

 

それにしても本当によく文句言わないなお客さん。

不具合送りまくってるのにシャインマスカットで返してくれて、

それのお返しに不具合送っても文句言わないもんな。

営業には文句来てるみたいだけど。

それに更に胡座かいちゃううちの担当窓口も凄い。

「ご迷惑をおかけして〜」も言わない。

 

 

 

 

 

あとNが言ってたのは、

『対策の追求したらボスさんと他のみんなのせいにしていた』と。

 

また詳細は分からないけど八つ当たりにもほどがある。

 

 

 

反射的に言い訳が出てくるのは凄いけど、

信頼関係を左右する刃物だとか思ってさ、

言い訳と思われないようなレベルまで技術を磨いてから扱って欲しい。

騙すなら最後まで上手く騙してくれ。

 

 

 

 

 

 

昨日は笑い袋、今日は隣の。

2021.8.10



朝礼にて、

ボスから「U社のシステムのやり方を星屑のディスタンスさんとムードちゃんに教えてあげて」

と言われた笑い袋。

 

笑い袋が勝手に新人さんに引き継ぎしようとしていた仕事はパートさんに引き継がれるみたい。

 

 

新人さんは試用期間だからか引き継ぎはパートさんになったみたいだけど、

(もしくは殿の思いつき)

機械にめちゃくちゃ臆病なムードさんがピンチになったのが分かった。

スマホも苦手で持ち歩かない人。

大丈夫かなぁ

 

 

 

 

 

 

笑い袋は今日もあからさまにNを避けている。

 



 

 

 

 

朝から隣のがいつしかさんを呼び出せと騒いでいたというので現場に赴いた。

 

 

フィルムにズレがあるのはミスなの?という理由で騒いでいたらしい。

 

営業のペロリと関係者のNも呼ばれていたみたいで後から来た。

 

 

印刷するのにフィルムっていうのが必要で、

版画みたいに色を重ねていくので色の分フィルムが必要。

 

今回は1版目だけ変更なので2版目以降はフィルムを使い回す。(弊社は)

 

その印刷フィルムを作るまでがいつしかさんの担当。

 

 

前は隣のがやってた。

わたしが生まれた時にはすでにやってたというので20年以上は携わっている。

 

 

ズレ方を見ると、

経験からすぐにフィルム出力のロット違いによるズレだと分かった。

 

外注でフィルム出力してもらってて、

出力のタイミングにより条件が異なるから過去のフィルムとピッタリ合わせるのは難しいらしい。

(昔のフィルムは縮むし)

 

 

今回のはかなり大きい印刷だからその分ズレが生じやすい。

そう説明した。

今更やん、と思いながら。

うちのやり方だと今までもそんなのばっかりだったでしょと。

 

 

 

 

いつしかさん達からの信用が無い(『聞く耳持たない悪い部下達』と捉えている)隣のは、

権力?のある男達を口説き落として連れてきていた。

 

深層心理では自分に自信が無い隣のは、

昔から力がある人の紋所を使って自分の言う事を聞かせようとして来た。

 

長話する気のない我らを気にすることもなく、隣のはふんぞり返って1人だけ椅子に座っている。

 

隣のの中では何かの勝負が始まっていた。

勝利を確信するポーズで座っている。

いや、態度で自分を大きな存在と印象付けようとしている・・・?

ただただ横柄にしか見えないが何かのアピールのはずだ。

 

浅すぎて分からないが。

 

 

 

 

 

 

 

隣の「データのミスじゃないのか?」

 

わたし「この微妙なズレ方はロット違いのやつですよ。物がデカいもんこれ。出るよ。」

 

隣の「ロット違い?」

 

初めて聞いたようで、疑わしい目を向けられた。

わたしは昔"隣の"から聞いた話を本人に話している。

 

 

隣の「ズレ無い様に出来ないの!?いつしかさんの送り方が変なんじゃ無いのか?」

 

わたしは昔"隣の"から引き継いだやり方で送っている。

 

 

わたし「丸が楕円に変形してくる訳じゃ無いから、この僅かなズレをどうこうしろは業者も難しいんじゃ無いですか?」

 

隣の「ロットが違うとなんでズレるんだよ?」

 

おかしいな。隣のは知ってるはずなんだけどな。

わざとっぽい気もするし、

本当に脳の萎縮な気もする。

昨日の話と繋がっちゃうけど記憶の改変が行われた可能性も高い。

 

 

わたし「うちだって黄色が初回のサンプルと違ってる印刷あるじゃないですか。

調色したロットが違うからでしょ?」

 

隣のが連れてきた男どもの都合が悪い話なのでスルーされた。

 

 

 

 

話が先に進まないので納得のいかない隣のを置いておく。

 

わたし「解決するには、共用とかしないで全版代を営業がもらってくれば良い。

出来ないから昔の版とズレが出てこうなる」

 

営業のペロリを見ながら。

 

ペロリは『なんで俺・・・ 』みたいなやれやれ顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

解散する雰囲気になったが、

まだ食ってかかってきそうな顔をしている隣の。

最後にわたしは1番気になっていた疑問を投げた。

 

 

わたし「ところでなんで隣のさんがいるんですか?」

 

てっきり先輩ヅラしてわたしと同じ立場から意見を言うと思っていたが、そうじゃなかった。

印刷現場へ左遷はされたが今は印刷するのも殿から禁止されているし、

この件に関係しているのか分からなかった。

 

 

隣の「なんでって・・っ関係あるんだよ!」

 

そうなんだ。

材料切ってるから?

 

 

 

 

 

 

 

戻ると、Nが驚く事を言っていた。

わたしがいない隙に隣のがデータを覗きにきていたと。

Nはそれがどういう事なのかピンと来てなかったが、隣のはデータにミスがない事を確認して知っていたという事。

『データのミスじゃないのか?』って聞いたのは引っ掛け。

 

となると、フィルムのロット違いによるズレの事も隣のは覚えててわざと責め立てるように言っていたように思える。

 

わたしが作ったデータに弱気だったり、

フィルムの知識が無かったら隣のはそこを突っ込んで何かを勝ち取ろうとしていた。

 

 

 

 

隣のの行動の全ては承認欲求から来る。

台風を起こして自分はさっさと台風の目に引っ込こむのがいつものやり口。

『後はご両人で解決しな。あたしは巻き込まれただけ。あたしって巻き込まれ体質なの〜』と

まるで自分が頼られているように吹聴して

『大変でしたね』を欲しがる。

 

 

 

 

 

 

わたし「シンプルに性格が悪い」

N「『多色物は3人(N含む)で見るって言ったよね?』って、聞いてねえわ!」

 

それは絶対に言われてたよ。絶対にね。

Nまで記憶改変し出すな。

 

 

基本的にいつしかさん1人でデータ作りからフィルムチェックまでやってるから色数の多いものはチェックの人を増やすようにと隣のが昔から言っていた。

負担がでか過ぎて誰も受け入れちゃ無いけど。

 

 

たまには隣のも良い事言うじゃん。って思うじゃん?

言い出しっぺの隣の自身も『いつしかさんがOKなんだからあたしもOK』ってチェックの仕方だったから褒められたもんでは無い。

手渡してすぐに責任印を捺した所を「何を見てOKした!?」って捕まえた事もある。

 

 

隣のが周囲の信用を得られない意味が少し伝わるといい。

 

 

 

 

 

 

 

どうでもいいけど隣のの呼び出しから戻ると、

笑い袋がムードに引き継ぎをしていた。

ムードがなんかイライラしていた。

「あんたが言ったので合ってるのね!?あんたがそう言ったんだからね!?」ってニュアンスの言葉を早口で言っていた。

対する笑い袋は「大丈夫でーす!」

 

そうだそうだ。

笑い袋意味分かんない所で急に記憶喪失になってるから気をつけて。

 

 

 

 

 

 

会議大好きな殿が休んだのはワクチンで熱出してるんじゃ、もしくは最近出てきたデルタ株じゃないだろな?という話をした後、

殿が着古したラフなシャツを着て事務所にいた。

大きく手を動かしてなにか言ってた。

元気そう。

 

 

 

 

 

 

休憩の時間になると、

作業してるボスに隣のが張り付いて一方的にコソコソ喋ってるのが見えた。

 

告げ口の時の顔じゃない?

誰かを貶めてやろうって顔だ。知ってる。

またなにか騒げることが見つかったのか。

 

 

 

 

ボスの事は放っておいて休憩に向かうと
殿がシャトレーゼのアイスを買って来ていた。

カップのかき氷のやつを選ぶと口の中がキンキンに冷えて銀歯にしみた。

 

 

殿はボスと楽しくお話中。

ボスはよく捕まる人。

 

会話が微妙に聞こえてくる。

休み前とか年末とか殿いつも体調崩しますよねぇー的な事を言ってた。

やっぱり体調の方だった。ワクチンの副作用か何か知らないけど。

 

 

 

銀歯と呼吸を合わせている最中、
Nがさっきの隣ののコソコソ話の内容を教えてくれた。

 

N「よく聞こえなかったけど多分フィルムの事だと思う。今朝の。『集まるならあたし出ようか?』って言ってた」

 

出た出た。お得意の。

 

 

 

 

夕方。

ボスが言いにくそうに近づいて来た。

さっきのコソコソ話の件。

 

ボス「あたしフィルムの事よく分かんないんだけど、一応言われたから言っとくね。

フィルムを出すにあたって、この時はこう送った、あの時はこう送ったとかいう記憶は残してるのかって」

 

隣のが何を言いたいのか分からないので聞き直す。

 

ボス「例えば、1ヶ月前に作ったフィルムを今回1版だけ変えたいってなった時、また今日みたいに合わないって事があるかもしれないから、

以前出した時のデータっていうのがそっちで分かる物が何かあるのかって・・・」

 

わたし「うちから送ってるからメール見れば分かりますよ。うちが送ったのをそのまま出力してもらってるだけだし。

おばば(隣の)が見たいのあるって言うなら送信履歴探れば出せる」

 

ボス「そうなの!?ほら、あたしに説明されたって分からないから笑

じゃあウィズに何を聞けばいいの?」

 

わたし「いや、だからおばばが何をしたいのかが分からない。全部知ってるはずなのに。

注目集めたいが為にただ騒いでるだけに見える。」

 

ボス「あたしも分かんないからさー、『もしも、説明が上手く言えないんだったらあたしが言ってあげる!』って。また出しゃばっちゃうからさ」

 

わたし「業者も今更何言ってるのか理解できないと思う」

 

業者さんの気分悪くさせる未来しか見えん。

ただでさえフィルムやってくれる所少ないのに関係悪化は困るで。

 

ボス「送る時の基準点がどうのこうの〜ってあたしに言われたって分からないよ」

 

わたし「わたしもおばばの目的が分からない」

 

ボス「今朝なんか集まったって言ってたやつ、

それの話は伝わってる?って聞かれたから

『あたしは聞いたよ。ズレててもこのまま印刷していいのか営業に許可貰ってからの印刷になるんでしょ?』って言ったの。

他の営業にはペロの方から言わせてるって。

ペロがどうしたかは知らないけど』って。」

 

 

隣のは異性には攻撃を仕掛けないからペロリが他の営業に伝えてようと伝えてまいとどっちでも構わない。

 

 

話を聞いてたら隣のの魂胆が分かった。

 

わたし「後半意味通じない事うだうだ言ってませんでした?」

 

ボス「うん・・・なんか、あたしも全然分からないからさ。何言ってんのか分からないけど」

 

わたし「分かった。おばばの作戦が分かりました。

わたしが『営業に伝えてない』事を前提にそこから話を大きくしようとしたけど、

わたしがちゃんと伝えてたから予定通り行かなくなって、

でも走り出したものを止めたら"負け"になるから焦ってアドリブでなんとかしようとして目的が無いってやつですよ」

 

ボス「そうなのー!?」

 

わたし「絶対、そう」

 

過去にもそう言う姿見たことある。

 

 

 

つまり今朝の話し合いで隣のは"負け"ていたらしい。

落とし所を見つけて面倒な新しいルール作ったのに"負け"たと思ったらしい。

自分の思った通りの答えにならないと"勝ち"にはならないらしい。

 

これが10年も自分の上司だったんだからもっと給料上げてくれて構わないんだけど。

いや、金の問題じゃ無いな。

 

 

 

ボス「あと、フィルムのズレが出ない方法は無いのか、なんでズレるのかを業者に説明させるって」

 

わたし「えー!悪いのうちなのに!?だったら全版作れやって業者に言われるに決まってるじゃないですか」

 

ボス「そうなんだよねぇ。営業が版代取れないのが悪いんだけどさ」

 

わたし「難しいのは分かってますけど。

だからおばばの時代からずっとこの形でやって来たのに。左遷された途端これかい」

 

 

 

 

ボスと話しながら今朝のおばばの偉そうな(偉いのかもしれないけど)座り方をこっそり再現しようとしたが、

肉と長さの関係で全然足組めなかった。

わたしは足組めないからきっと隣のの様にはならない。

 

 

 

 

 

 

パートさんも帰った頃。

 

N「対策書書いてこないねほんとに」

O「来ないよしらばっくれちゃって、どいつもこいつも」

わたし「どいつもこいつも笑 どいつもこいつももうこのまま連休に入るから笑」

O「ふざけんなよ」

わたし「まじでこのまま連休に入ったら完全に忘れるつもりじゃ笑」

N「あたしさぁーもーツンケンされてるんだけど」

わたし「え、まだされてるんですか?」

NO「「うん、してるしてる」」

わたし「引きずるんだ」

 

何を引きずってるのか、きっと斜め上の解答だろうから興味はある。

 

わたし「リミット作っちゃえばいいのに」

O「自分で書いてきますって言ったんだよ」

N「あたし別に報告いらないんだけど」

わたし「報告させてやってくださいよ笑」

N「なんで黙ってたの?って」

 

笑い袋は忘れたふりしてまた重大な不具合を隠蔽しようとしていた。

 

わたし「そっちの報告が欲しいですね」

NO「「そう」」

 

息揃ってんな。

 

わたし「毎回不思議なのが、頭の隅とか、トイレいる時とかで対策考えられないのかなって。

数日経過して注意されて、そこから考えてまた数日経過するじゃないですか。昼は熟睡してるし」

N「遅過ぎるのよ」

わたし「その前に黙ってた期間もある訳だし」

N「そう、あたしも黙っててあげたのよ」

わたし「でも避けてるから報告できない笑」

N「ツンツンしちゃってね」

O「子どもかよ笑」

わたし「おばば(隣の)の話をしてるんだかこの人(笑い袋)の話をしてるんだか分からなくなる」

N「同じだからね笑」

 

同じと言ったけど、

昨日の笑い袋と今日の隣ののやり方を比べて、どちらかと言うとまだ隣のの方がマシかなって思ってしまう。

 

 

2人を迷路で例えると、

隣のはゴールが丸見え。小賢しい罠がある。

ゴールされると次の迷路を作ってくる。

 

笑い袋の迷路はゴールを作らない。

「(わざと)ゴール作るの忘れてました」って感じ。

 

わたしの中ではこんなイメージの違いがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記憶喪失の素人

2021.8.9


月曜日。

カレンダー通りなら三連休の最終日だけど

うちはお盆休みにくっつけたので営業日。

交通機関の休日ダイヤややこしい。

 


朝の打ち合わせにて。

今日、会議だったらしいが殿が来ないと言うので盆休みの明けにスライドされたらしい。

休み明けの月曜日と言ったら超忙しそうだけど。

え、殿まさか旅行か?

 

 

 

 

 


朝の打ち合わせが終わり、

部門長のNは自分にだけ報告されなくて寂しい思いをしているあの件について追求をする。

 

 

 


N「なんかS社で不具合出たの?」

笑い「不具合?」頭コテン

N「出てない?」

笑い「不具合?」頭コテン

N「出てない?」

同じやりとりが連続したけどコピぺの失敗ではない。笑い袋がとぼけてるだけ。

 

笑い「・・・・・・あっ!えとぉー・・・

キャンセルする・・・品物が・・・あたしが間違えてしまって・・・」

 

"逃げられないかもしれない・・・!!"

そう思った時、笑い袋のかつての記憶が蘇ってきた。

 


笑い「ほんとはこの『チョコミント』をキャンセルしないといけなかったんですけど、

・・・こっちの、「チョコチップ』の方を送ってしまって。

・・・でぇ、こっちはもう作って昨日送ってしまってぇ、でぇ」

 

この小さい『ぇ』を言ってる間に作戦を考えている。そんな間がある。

思考のカロリー消費が半端ない。

取り繕いダイエット。

 

で、先に書くと、

(引き出す為にわざと)Nが間違った事を言うと

笑い袋はすぐにNより『自分が上だ!』って勘違いし始めるよ。

小さい『ぇ』の使い方が変わるよ。

(こういう時口が滑るんだよな)

 

N「ん?ん?何?キャンセルしないといけないのを『チョコミント』でしてしまって?」

笑い「いや!逆でぇす。こっちを生かしてしまってぇ、こっちをキャンセルしてしまってぇ、ほんとはこっちが必要だったんです。

えとー・・・あたしそれを気づかずにT県に送ってしまってぇ」

N「気づかずに?」

笑い「はい」

一瞬で不貞腐れた。自分で言った事だったよね??

 

N「ん?キャンセルするのを気づかずにってこと?」

笑い「あ、違います!間違えてるのを気が付かずに、えっとぉ、『チョコミント』をT県に送ってしまって、でーーー

S社さんから、こっちが届いてないんだけどって問い合わせで、初めて気が付いて、でぇ、ちょうど」

ここでOが合流。

 

N「キャンセルを間違えて?『キャンセルを間違え違う物が行っちゃった』」

笑い「ここの『チョコ』を見てしまって、『チョコ』と『枚数』だけ見てぇ、こっちをキャンセルしてしまった」

 

『枚数は合ってたのえらいね』ポイント稼げると思ったのか、

印象に残る様に『枚数』をねっとりと言った。

 

先日あったテレコ10件の『リンゴとパイナップル』の時は枚数すら確認していなかったので、

今回は枚数だけは確認したらしい。

・・・今回は偶然合ってたんだと思う。

 

 

O「違う物をキャンセルしたってこと?」

笑い「そうです!」

おめでとう正解です!って感じでNは褒められた。


笑い袋は終始『ミスをしたけど何か?』といった態度だ。弊社のランボーを彷彿とさせる。

『お客さんにももう届けて終わった話ですけど?』というニュアンスをお漏らししている。

大人なので人がお漏らししてもスルーしてあげる。

 

Nだって別にお漏らしが見たかった訳ではなく、

真相を聞き出してこれからどうするのかを聞きたいんだと思われる。

 

 

笑い「このぉー違う物をキャンセルして、でぇー、S社さんから問い合わせが来て、でぇー」

O「注番とかは合わせずに?」

笑い「・・・・・・」

嘘つこうかめっっっちゃ葛藤する空気を漏らしている。またお漏らし。

 

笑い「・・・・・・おそらく。

見てなかったと思います。もうそれ、そこが違うっていう風に」

O「何を見てキャンセルしたの?」

N「依頼書はどうなってたの?」

 

笑い「依頼書は元々打っててぇ、でー・・・」

N「キャンセルの時はキャンセルにしない?」

笑い「あ、してます」

当然でしょ!と急にドヤッとした。

 

笑い「これはたまたま1個だけでぇ」

N「たまたま1個だけでもキャンセルはするよね?」

笑い「はい」

調子を崩されて不貞腐れた。

 

笑い「あ、じゃあこれが無いんだーって言って、あの、・・・仕舞った」

N「うん・・・まあ、そうなるってことはそう言うことだよね。何かしらの落ち度があるってことだもんね」

 

はい、すみま・・・

 

笑い「こう見れば1番分かりやすかったんですけど。内容違うんで」

 

いや今分かりやすくNが反省する流れ作ったじゃん。

代わりに言いそうになったわ。

 

N「え、図番見ないの?」

笑い「あっ図番っ・・・も、本来は見るべきだったと」

O「え、図番と注文書とは・・・」

N「キャンセルする時にチェックしない?」

 

さては言い繕うのに必死で今までNの話聞いてなかったな?っていうお漏らしを盛大にした。

いくら大人でも流石にもうスルーは出来ない。

 

 

 

 

製品に大きく印刷されてる

『チョコミント』という字の『チョコ』と、

『チョコチップ』という字の『チョコ』で間違えたらしい。

『チョコ』間違い。

 

 

一応言うと、うちには各工程でチェックシートがちゃんとあるよ。

それに注文書との照合なんてどこの世界でも基本手順。

たまにのミスならともかく、笑い袋は他の事でもとにかく確認不足が多い。

 

 

製品それぞれに番号が振られていて、それがその製品の登録番号(図番)・・・名前になる。

 

笑い袋は名前も年齢(注番)も確認せずに

顔(印刷内容)パスで発送した。そしたら間違っていた。

 

笑い袋が警官だったら顔が似てるというだけで犯人だと決めつけて誤認逮捕連発している。

 

 

 

1箇所でもチェックシート通り注文書と照合していれば間違えに気づけただろうに。

あ、今回は日付と数量だけは合ってたんだっけ。

2箇所もあってるじゃん。

 

 

先日のテレコ10件も確か同じ原因。

顔パスした。

 

 

 

Nの追求は続くが、途中から笑い袋のチョコチップの言い方が『チョコチップ♡』になる。

急にハートのニュアンスを足して来た。

どういう事なのかは分からないが

もうこれ以上漏らすものも無いという事だろう。

 

床ビッチョビチョだけどね。

 

 

 

理解する必要は無いけど、

一応話をシンプルにすると、

 

お客さんは『チョコミント』と『チョコチップ』を注文し、

『チョコミント』をキャンセル。

笑い袋は『チョコチップ』をキャンセルして『チョコミント』を送った。

理由は『チョコ』が同じだったから。

という簡潔に終われる話。

 

 

 

 

笑い「・・・・・・キャンセルの時は、キャンセルきたーって言うのでじゃあこれって、特にチェックをしていなかったのと」

N「あのー、キャンセルっていうのは基本的にあたしたちが勝手に答えられないんだよ」

笑い「うん」

そんな事知ってますけど?を『うん』の2文字で表現してきた。

 

N「営業が判断しなきゃいけない」

笑い「うん」

N「あたしたちが勝手にキャンセルっていう風な判断を、要するにお金の、金額がベースの事だから」

笑い「ふんふん」

これはもう聞いてない。

 

N「必ず営業確認をしてから、出来る出来ない、やるやらない。やらない場合もあるのよ」

笑い「ああ、はい」

もはや相槌打ってるだけ。

Nも諦めないな。

 

N「納期が近いやつとか。自分たちはキャンセルだラッキーって思うかもしれないけど」

笑い「うん」

N「営業はお金が取れるか取れないかで見てるから。作業かかっててお金発生してるかもしれないから。

だからあたしたちが勝手にキャンセルしちゃいけないのよ、実は。」

笑い「それは〜あの、鳩おじさん(営業)に確認してます。

あたしがキャンセルしたのを間違えてしまっていたので。」

 

はい。ここ。ここ。

後で重要になるセリフを笑い袋が言ってるよ。

笑い袋が報告書上げてこないから20日の日記にならないと繋がらないんだけど。

 

 

 

笑い「あたしが一回キャンセルでぇ・・・やっ・・・やりかけてしまってぇ、言われてるんでぇ、一応、そこは(知ってます)。」

 

『やっ・・・』の続きは『やってしまった事がある』。

未然に防いだ事にして誤魔化したのが分かる。

口を滑らせてまた反感を買う様な事を言いそうになってブレーキがキキキキキーッとかかった。ならいいが、

笑い袋は誰の前でもこれをよくやる。

反感を買うとかじゃなくて自分の評価を下げるのを怖がっている。

まず上げてから怖がって欲しい。

 

 

 

 

ところで、

笑い袋はなんでNが怒ってる(口調は落ち着いてるけど)のか分かってない。

だから『ケチをつけられている』という愚痴が出る。

 

『こうやって間違えちゃいましたけど何か?』

と状況説明のみで終わると思っている。

対策なんてしなくても次回はもう間違わないもんって過信があるから。



 

 

 

 

昼に、

『なんでNさん怒らせたのか意味わかりました?』って聞いてみようと思ったが、

笑い袋はさっさと別の席に着席した。

多分だけどわたしの事も避けている気がする。

寂しいなー

 

全部聞いてたからその話を振られるのが嫌で避けてるレベルだと思うけど、

Nの事はあからさまに避けている。

Nが部屋にいるとメールのチェックにも来ていない。

Nは寂しそうにしていた。

こんな表現するとNが嫌な顔するだろうけど。

 

 

 

 

天気娘に今朝の笑い袋の話をした。

Nが「S社で何かあった?」と聞くと、

「なんかあったかなー?」とすっとぼけてたと。

 

天気娘は爆笑して「隣のさんと同じじゃん!モノマネ完璧じゃん!」と笑っていた。

 


ほんまや。

頭を横にコテンとする仕草まで完コピしてた。

都合が悪くなると急にすっとぼける隣のは本当にやべー奴だと思ってた。

・・・だから拒否反応が出たのか。

 

ただ、記憶喪失のプロとしてやっていくとしたら難しい。

中途半端な記憶喪失演技だから余計に腹が立った。

この場を煙に巻けりゃーいいやーって浅はかさが隣のと笑い袋を記憶喪失の素人止まりにしている。

 

 

次また記憶喪失になったら話捏造して

「こうだったじゃん」って口挟んでみようかな。

ちゃんと本人以外にはネタバラシするけど。

 

 

 

困った時は新人が助けてくれる

2021.8.6


昨日の東京の感染者数5000人越えた。


金曜日。


昨日のテレコ?の件は報告出来たんだろうか。

 

 

笑い袋は朝礼前、新人さんにシステムの事を引き継いでいた。

引き継ぎの話は聞いていないが

いつの間にか話が進んだのだろう。

 


朝礼にて。

テレコ?の不具合の件は何も触れずに本日の予定を言い終える笑い袋。

笑い袋の隠蔽体質から新しくそういうルールが誕生した。

同じフロア内で"ちゃんと"情報共有しようねというルール。

でも自分の為のルールとは気付いてない。

 

 

 

 

そうこうしていると早速問題発生。

朝上がって来た印刷の中に材料を間違えているのが発見された。

 

笑い袋は他人のミスにテンションが上がる傾向がある。

その為、無理矢理用を作って話が聞こえる所に現れる。

笑い袋のテンション5%→100%になった。

独り言の多さで測れる。

 

 

ボス「材料用意したの誰?・・・隣のさんだ」

N「印刷は誰?あ、三代目くんか。だから信用してるんだ」

 

三代目はその表記の通り次期社長の座に着く男だが、責任感が無かった。

だから仕事を"お手伝い"してくれるのは良いがよくよく確認をしないし後片付けもしない。

一方隣のは社内のチャランポラン選手権で殿堂入りしている。

彼奴が関わると世にも奇妙な事が起きるから何もかもを疑わないと自分が後で痛い目を見る。

そんなの周知の事実のはずだが、

放って置かれている"お手伝いさん"には伝わってないのかもしれない。

もしくは知った上で「僕は貰った材料で印刷しただけ」と言ってくれるか。

 

 

 

他のパートさんからも材料違いが見つかったと報告が上がってきた。

ボス「あたし言ってくるよ」

N「対策書〜」

 

以前、三代目の印刷不良のあまりの多さと対策されない悪質性から対策書を書くように伝えたところ、

品質の長が三代目の名を聞くと対策書の発行を認めてくれなかったり(忖度)、

本人が書きたくないと床で暴れたり(イメージ)で仕事をしただけの検査員達が散々な目に遭った事があった。

今回も"お手伝いさん"な三代目の対策書は期待出来ないと分かりつつ、

一応管理者であり、品質のサブリーダーでもあるボスが行くというので声援を送った。

 

 

ちなみに、

一連の話に聞き耳を立ててる笑い袋は200%になった。

 

 

%の見分け方

10%未満→生気が抜けてる。ゾンビ状態。

11〜99%→見たことない。

100%→漫画で二頭身にアレンジされたキャラがギャグテイストに動き回るイメージ。

200%→誕生日やらクリスマスやら全ての記念日が今日なのか?って思うくらいお花が飛んでいる。

うふふあはは。

 

 

 

 

 

話始めは知らないけどNOがこんな事を言っていた。

 

N「ねえ教えてたよね?U社(笑い袋担当のお客さん)のシステムの事」

O「教えてた。なんで?」

N「中途半端に嘘教えられても困るんだけど」

 

今朝、笑い袋が新人さんに引き継ぎしていた事を言っているみたいだった。

やっぱりそんな話まだ出てなかったらしい。

NOは新人さんの前でピリピリしないようにしてるからその場ではスルーしていた。

 

 

そう言われると、まだ入社1週間程で入門編の勉強会もやってない新人に

いきなりお客さんのシステムの説明をした所で通じただろうかと気になった。

 

 

笑い袋には虚言癖があるのが問題。

人を陥れようとしての嘘では無い。

自分を優秀と思わせる為にその場限りの思い付きを人に教えてしまうという癖がある。

後で嘘がバレてもまたその場限りの嘘をつけばいいだけ。

だからNOの言わんとしている事は分かる。

 

教えている時に「あたしも全部分かってないので」と保険をかけていた。

新人さんが嘘に気付けるわけがない。

 

 

 

 

何を隠そうわたし自身も何度かやられている。

 

わたしの範囲外の仕事の事でふと疑問を口に出すと、それっぽい事を教えてくれるんだけど事実無根の嘘だと判明する。

悪意は感じられない。

冗談を言っている訳でも無い。

物知りな自分を形作る為だけの嘘。

笑い袋に詐欺師になられたら騙し取られるぞ。

 

 

 

 

 

話の流れで笑い袋の昨日のテレコ?の件を知ったN。

 

わたしが普通にOと喋ってたら部門長のNが初耳だったらしく驚愕していた。

笑い袋はついこの間10件近くテレコを出したばかりだったから。


N「テレコ!?」

わたし「電話でそれっぽいこと言ってた。

あれ?ボスさんには報告に行ってましたけど」

N「ボスさんに聞いてこようかな。・・・事務所に取締さんいるけど良いかな?」

O「いいよ」

 

 

わたしは偶然テレコ?の電話をしてる時にその場にいたから知っていた。

 

嘘です。

経験からくる勘でガラス越しに問題が起きているのが分かったので、堂々と入室した。

手にはたった今買ってきた訪問販売のおやつを持って。

 

 

 

 

ボスの元へ向かったNがしばらくして戻って来た。

 

N「分かりました。

あたし聞いてないって言ったら『え!?言報告されてないの!?』ってボスさんビックリしてた。

取締さんの方が知ってたよ。」

なんでや。

 

N「テレコじゃなくて、キャンセルを送っちゃったんだって。それが別の物だったっていう」

O&わたし「ん?ん?」

頭を整理。

 

注文のキャンセル依頼が来て

キャンセル処理をしないで送ってしまったと。

しかし送ったのは別物。

 

複雑だな。

 

 

どんどん複雑になっていく。

 

 

 

 

どうして部門長に報告が無いのかの推理が始まる。

 

O「どうせ『出荷でNさんが忙しそうだったから・・・』って言い出すんでしょ」

わたし「それだ!Nさんは忙しそうでボスさんは暇そうだったから報告出来たってこと?

ボスさんいつも暇だもんね」

社内一忙しいボス。

 

 

 

笑い袋の言い訳は決まっている。

 

『◯◯さんが忙しそうだったから』

『自分がバタバタしてて』

『あー・・・なんか、あった・・・かな?(記憶喪失)』

『基本手順を忘れてました』

『忘れてました』

『そうか!そうやればいいのか!(新人顔)』

 

この内のどれかを必ず使う。

攻撃力は『◯◯さんが忙しそうだったから』が1番高いかな。

他人のせいにしているから。

 

『忘れてました』はAボタン1つですぐ出せる。

特殊能力の『記憶の改変』を使うと『忘れてました』等が真実になり、全ての攻撃力が増す。

今のところ命中率は低い。

 

 

 

 

なんだか、なぞるだけの言い訳を聞くのが面倒に思えた。


「先に言っちゃダメなんですか?

『なんで報告しないの?あたしは忙しそうでボスさんは暇そうだったから?』って」

 

わたしが提案すると部門長がなんとも言えない表情をした。

 

 

 

確かに、そう聞いた所で逃げ癖が治る訳では無いわな。

 

 

笑い袋の本音は分かってる。

 

『怒られるのが嫌で後回しにして、

あわよくばケチをつけてくる上司がこの件を忘れてくれれば都合が良い。』

 

これが理由でいつも言われるまで後処理をしない。

 

お客さんにはしてる。

この時点では記憶がある。

 

社内の後処理をしない。

ここで記憶喪失になっている。

 

ミスより後処理やらない方が怒られるだろうに。

(後処理したところで同じミス繰り返すんだけどもそれはそれ。)

 

 

 

 

別件。

天気娘が来て苦情を言って行った。

 

笑い袋がやったラミネート

印刷のアテ側をカットしちゃってアテの意味が無くなった事を言いに来た。

右下から何mmの所に印刷してあるって条件が全枚数同じなら効率よく加工が出来るのだが、

笑い袋が全部の右下をフリーハンドで切って何mmって条件を消してしまったという事。

 

苦情を言っている天気娘とガラス越しに一瞬目が合った。

目が合ったからか、わざわざ見せに来てくれた。

 

天気「アテ切ってるよ!って言ったの」

わたし「なんで切った?」

 

アテをどうこうしないのは基本オブ基本な事。

笑い袋の様子を見るに、初めて聞いたという反応だったという。

 

新人顔のやつだ。

 

 

 

 

 

 

 

忙しい時に来る連絡

2021.8.5


木曜日。

 

快速急行社出荷日。残り160点。

※手間と量と勢いが凄い事から快速急行社と表記している。

仮に実在してもそれは知らない会社。

 

出荷で忙しい日って毎回笑い袋に不具合の連絡が届くんだよな。

 

 

 

 

朝礼前に笑い袋と二人きりになる。

何か話しかけてきそうな気配がする。

ご機嫌な日らしい。

 

笑い「なんか毎朝おばばさまMACでなにかやってるけど、何しに来てるんだろう」

 

おばばというはわたしが呼びはじめたので気にしないでいい。

日記上の表記じゃなくて実際に「おばば」と言っている。

"隣の"の事。


わたし「・・・メールじゃない?」

笑い「ああ!」

 

隣のは左遷された4月頃から毎日メールチェックしに来てるけど。

この人今朝記憶喪失になったばっかなんかな。

 

 

 

出荷の量が凄い日だけど、

同時に更衣室のロッカーの入れ替えが始まった。

わたしも更衣室の移動をする事になった。

女子の新人さん増えるから女子更衣室が2つになった。

元男子更衣室だからなのか、床がえらく汚い。

倉庫みたい。

ちなみに男子更衣室は材料倉庫に移動。

 

 



仕事をしていると後ろから、

笑い「とはいってもお暑いございますよ」

という独り言が聞こえた。

 

自分の思考と会話しちゃうタイプなのかな。

 

 

 

 

毎月決まった日におやつの訪問販売がある。

今日がその日。

コロナウイルスで世の中が一変した影響で一社一社訪問して販売している。

今日はうちの為だけに売りに来てくれている。

それは沢山買ってあげないと!という気にさせる。

体裁で買ってる人も結構いるが、

わたしは訪問販売になる前から買いに行っていたので普通に好きで買ってる。

 

 

我々がおやつを買っていた頃、

笑い袋にテレコ?の不具合連絡が来ていた。

 

袋代をケチってシフォンケーキなどを手一杯に持ったわたしはガラス越しに笑い袋の様子が見えた。

 

・昼休憩なのに電話している。

・事務員は休憩中は取り次がない。

・つまり長電話。

・今日は全員で一社の出荷に取り掛かるくらい忙しい日。

・それも快速急行社の出荷。

 

イコール

 

不具合の連絡か。

 

 

 

部屋に入るとテレコをやったという様な単語が聞こえた。

 

 

 


昼が終わると笑い袋はボスに報告していた。

ボスに「こんな大きく表示してるのに」と言われているのが聞こえた。

 

またそういうやつか。

根拠のない検査と出荷でもしたのだろう。

 

 

 

次の休憩

笑い袋は同期の親友(パート)にテレコ?の話をしていた。

「全然似てないのになんで間違えたんだろう笑」と爆笑していた。

 

はい、ここストップ。

笑い袋は「間違えた」と自分で言っている。

不具合の認識も記憶もありますね。

これがその後どうなるか。