いつしか日記

日々の日記。圧倒的に仕事の話。

他罰一族

20220128


金曜日


今日は"隣の"が待ちに待ってたMacの見積もりの日。

 

 

 

 


朝の打ち合わせに取締が出ていた。

声も明るい。

その打ち合わせが終わると、


O「今日は出たんだ」

N「どうしたんだろうね」

 

NO達も不思議がっていた。

取締の機嫌が直ったのだろうか。

 

 

 



 

N「隣のさん、15時からMacだ!って張り切ってたよ」

わたし「天気娘さんからも『張り切ってる』って聞いてます・・・」

N「張り切ってるよー」

 

N、楽しそうじゃねぇか。

 


偶然Nが廊下側のドアを開けると、

N「ばばあ(隣の)が走ってきた」

 

わたし「うわっ」

O「うっわ」

 

奇遇にも2人して出たこの『うわ』は、恐怖と不快感のやつ。

飛ばない無理な虫を目撃した時に出るやつと似ている。

 

 

 

 

 

 


朝礼。

 

今日出しの快速急行社はあと80点くらいらしい。

 

また出荷日なのか。

昨日も出荷日じゃなかった?一昨日?

間隔なさ過ぎ。

今日は応援入れないから頑張りたまへよ。

 

 

 

 

 


10時頃。

 

営業の蛇はタイミングが悪い男で、忙しい時にお喋りに来てしまう。

これぞマイペースというやつ。

Nは愛想良く話を聞いているが、でも出荷日だしで内心焦っているのは分かる。

 

なんでこんな時にも営業の雑談に付き合わなきゃいけないのか。

後ろめたいことでもあるのだろうか。

それはあるだろうな。

 

 

 

蛇の聞かせたい話は、業者から舐められ渋られ、しかし殿が代わって対応に出たら手のひらを返して来た、というものだった。


蛇「世の中カースト社会で動いてんだよ。

肩書きはやっぱり必要だよ。

でも俺は若い衆を助けた方が後後続くと思うんだよな。

若い衆蔑ろにしない方が良いと思うんだけどな。

でもそれで勘違いする輩がいるからね。

『◯◯(弊社呼び捨て)ー!』とか『◯◯(弊社呼び捨て)に出しときゃいいじゃないですか』とか、

保留にしてないで『◯◯(弊社呼び捨て)から電話』とか」

 

N「危険」

蛇「危険だよ」

 

 

Nは営業様(特に蛇)の長話を蔑ろに出来ない。

だから蛇が去った後に「話長ぇんだよ!」と悪態をつく。

聞かれないように気を付けろよ。

 

 

 

 

 

 

 


夕方。

 

Macを買い替える件で馴染みの業者が来社。


業者が操作しながら必要なものを書き出していく。

三代目も買い替えに関わるよう殿からの指示でここにいるが、みんな暇。

 

わたしはもう一台のMacで仕事を始めた。

隣のは三代目に愚痴を聞かせている。

また自分の事は神棚に置いて同僚の悪評を喋っている。

 

 

 

 

業者がいつ頃新しいのを導入するのか質問して来た。

隣のが「Macは買うつもりだけどまだ買わない」と伝えると、

業者「え、まだ購入は先ってことですか?・・・じゃあ僕なんで呼ばれたんですか?」

 

 

この業者の性格上、絶対に言うだろうなと思ってた。

どんどん新しいのが発売されるし、周辺機器ソフトとの互換性があるかないか問題も発生する。

 

隣のにはコンセントが外れていただけで故障だと呼びつけられるから敏感になっている業者。

 

何となくまずい空気を察した隣のは、急に会話の輪から外れた。

 

行き場を失った業者はわたしの方を見る。

わたしは三代目と目を合わせ、

「さあ?」

 

 

 

「見積もりは無料だから呼んだ。」

そんな事はこの業者に言える訳もない。

見積もりも仕事ではあるが、今までの関係性、業者の性格からして腹を立てるだろう。

それは面倒くさい。

 

 

しかし馴染みの業者なので目線で察してくれた。

この業者は隣のからの電話を拒否するくらいには隣のの性格を理解している。

話が早くて助かる。

 

 

 

 

業者「じゃあ、概算で良いですか?Macは本当にこの会社だけなんで、うちで扱ってないんですよ。

うちから更に外注することになるけど、多分今購入しないならって見積もり断られると思うんですよ。

だから僕の方で概算出す形でいいですか」

 

 

この業者はWindowsが得意でMacは得意ではない。

でもうちからはMacの保守を頼んでいる。

なぜこの業者と契約してるのか、何度質問しても隣のに濁される。

 

この業者を通して書体のライセンスも取っているが、業者の営業マンが更新作業がにがてみたいで

催促してるのに毎年ライセンスが切れてしまう問題もある。

 

隣のが見つけた業者らしいが、隣のもなんでこの業者にしたのか分からないらしい。

もう誰にも分からん。

 

 

 

 

 

 


暇過ぎて隣のが身の回りの整理整頓を始めた。

それでなぜか人数をカウントする機械が出てきた。

カチカチするやつ。カウンター。

それを三代目にあげていた。

 

 

三代目「ランボーさんのミスを数えるのにいいじゃないですか笑」

 

 

 

三代目はランボーとバッチバチだ。

 

 

 

大抵の新人は力をつけるまでは先輩とバチバチしないと思うが、三代目は大抵の新人ではない。

生まれた時から社長になる事が決まっていた男だ。

物事が僕の思う通りに行かないとダメなタイプの跡取りである。

良くも悪くもなかなかの他責的な性格をしている。

 

 

そしてランボーも普通の先輩では無い。

任せられる事が狭い範囲で限られていて、それを補うコミュ力も皆無。

その上煽り癖が周囲を苛立たせる。

なかなかの宗教依存症で自分を客観視する環境にいない。

 

 

なかなか者同士、意地になると周囲が動かなくてはいけなくなる。

 

すっかりランボーに夢中になった三代目の方は、

「ミスをカウンターで〜」というキモ〜な発想に至った。

 

腹を立てる三代目の気持ちは分かるけど、

この時点で既に必殺「パパがランボーさんを辞めさせないなら僕(跡取り)が辞める」を繰り出している。

パパ困っちゃう。

 

力技ではあるが周りをコントロールする方法をよく理解している。

 

 

恐らく、優秀な僕ならランボーを変えられる!と、見習いでありながら口を出し始めたものの上手く行かず、

諦め切れない三代目は頭に"ランボーアンテナ"を生やした。

自らストレスを浴びに行っている。

 

 

 


そういえば業者の話を聞いてる最中、

隣の部屋からランボーの名前が聞こえて来た。

それに対して三代目がすぐに振り向いていた。

ランボーの名前に敏感になっている。

 

三代目、もう普通の女じゃ物足りない説。

 

 

 

 

 

 

 


17時前。

業者帰る。

 

最後の最後に三代目が殿の息子だと知ると急におべっかを使うようになった。

そういうパフォーマンスも出来るんだな本来は。

隣のを相手にしてるのしか見た事ないからちょっと態度悪い業者だと思っていた。

隣のが相手じゃそうなるか。そうだった。

 

 

 

そして定年を迎える隣のと最後の挨拶。

 

これなんだろうな。

隣のは付き合いの長いお気に入りの業者に惜しまれたくてどうしても呼び出したかったんだろう。

呼べ呼べと何度もせっつかれている内にそうなんじゃないかと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 


17時過ぎ。

 

また取締の件で凄いことがあったから聞いてくれと言われた。

 

ボス「自分が帰るからって、まだ営業が仕事してるのに事務所のワンワン(エアドッグ)とエアコンの電源消して行ったんだよ。

あたしが事務所戻ったとき何か寒いなーと思ったらエアコン消えてんの!」

 

わたし「えー」

もっとすごい事かと思った。

 

N「普通、人がいたら消さなくない?」

 

ボス「Tナカさん(取締の部下)のPCには『電源ついてました』って付箋貼ってんの」

 

それは怖いですね。

 

ボス「『あたしは帰るから消すけど、使う人がつければ良いでしょ。その代わり消して行ってよね』って事だよ」

 

 

 

取締は波風立たせ中だから、今はどんな事でも非難が集中する。

 

 

取締のやることは隣のや笑い袋と全く違い、幼稚でつまらない。

隣の&笑い袋は破茶滅茶でエンターテイメント性があった。

どれにも巻き込まれたくは無いが。

 

 

 

 

 

 


夕方の休憩。

 

休憩に行こうとすると、取締から「インフォのメール、止まってたのがたくさん入って来ると思うから、関係あるのだけプリントしてくれる?」と仰せつかった。

 

 

インフォメーションは会社のHPからの問い合わせを受け付ける受信先の事。

基本的に迷惑メールしか受信しない。

取締が問い合わせ内容によって振り分けている。

 

事務所で確認出来るが、なぜかわたしの使うPCでもインフォが受信出来るようになっている。

どうやら大昔に隣のが事務員だった名残りでずっと設定されている。

 

 

取締、自分のPCでメール確認すりゃあいいじゃん。

 

・・・なーんて事は思わないけど。

 

 

 

過去の蛇とNの雑談によると、発端は蛇のお客さんからの指摘だった。

 

「余計なお世話かもしれないけど、おたくのHP、問い合わせ受信出来てる?前から送ってるんだけど。」と言われた。

 

さっきの取締の発言からして本当に受信がストップしてたらしく、

ヤベーと思った取締はなんとか責任を分散させようとPC詳しい隊を関わらせ、

後は「あたし分かんないから」と一歩下がれば殿にバレた時の報告は詳しい人達がやると計算している。

今の取締は周りに敵ばかりだから、この状況で失態を晒すわけにいかないのだ。

 

・・・なーんて事は思わないけど。

 

 

 

 

ちなみにわたしはPCに詳しくはない。

詳しくないから検索して調べてるのが詳しそうに見えてるだけ。

 

 

 

 

 

休憩室に行くと、取締はやはり現れない。

ひねくれた日から現れなくなった。

依存先だったボスにまで怒りの矛先が向かっているので現れない。

あんなに良くしてやってたのに仇で返しやがって、という被害者意識があるんだろう。

 

殿(兄)から取締(妹)のご機嫌取りを丸投げされてバランスを取っていただけのボス。

ド贔屓にして強力な味方(ボス)をつけたと勘違いしていた取締。

取締からの愛が重過ぎてその事でいじられ、居心地悪そうだったボス。

 

 

絶対この輪に入りたくないけどなかなか面白い。

 

 

 

 

 


休憩後。

 

Nに加工に入れるか聞かれたが、取締からの依頼が先。偉い人順。

 

インフォにはまだメールが入って来てない。

言いに行くと、取締は「え?知らないな」という顔をした。

確認してないんかい。

 

ここ、言い方に細心の注意を払わないとミスを指摘しに来たみたいに受け取られる可能性が大いにある。

取締は白か黒かでしか相手を判断できない状態だから。

 

わたしよりもPCに詳しいペロリが会話に入って来て、「過去のメールは入らない」と教えてくれた。

この件、先にペロリが関わっていた。

そうだろうとは思ってた。

ここから取締は喋らなくなった。

 

 


ペロリがわたしに「問い合わせのメールが最後に届いたのはいつか見て」と言うので自分の席に戻った。

 

そういう調査すら取締とやってないのか。

空気悪くて出来ないのか。

 

検索したら19年が最後。

 

付いて来たペロリが小声で「2年前に止まってんじゃん。普通気がつかないかね」と嫌味を呟いた。

 

 

いやいや、ペロリさ、もうこの案件はお前の案件へとスライドされたのだよ。

取締喋らなくなったじゃん。一歩下がったんだよ。

 

じゃあ後よろしく。

 

 

 

 

 

強迫観念と配慮は喧嘩する

20220127

木曜日

昨夜、友達が勤める会社でコロナ陽性者が出た。
来てる・・・。




朝の食堂。

オタプリがいた。

今期放送中のドラマの話を振る。

オタプリが好きな漫画家さんの作品だからだ。

わたしはその原作を最近読み始めたもので、話したい気分であった。

 

 

話を進めていくと、実はオタプリはそんなに原作を読んでいなかった事が分かった。

試し読み程度だ、と察した。

この前犯人についてのネタバレをかましてきたのに、読んでいなかったのである。

 

 

は? である。

 



早い段階で出てくる重要なキャラクターを思い出せない」と言いつつ知らない様子だった。


今度はわたしがネタバレかましてるじゃん。
わたしが露出狂じゃん。

オタプリが知ったかぶりを続ける限り、なんでわしが気を遣わないといけないのじゃ。

 



この話は今後しないことにしよう。







 

 

 

朝の打合せの時間。

発送の事を打ち合わせている。
わたしには関係無い打ち合わせ。

でもわたしの作業場と同じ部屋でやるから話が聞こえる。

 

別に珍しいことでは無いけど、取締が打ち合わせに入ってないなーと思った。

さっき事務所で営業達と歓談していたからそっちに夢中なんだろうと考えたが、

やっぱり何かが遭った。

 

 

 

また取締が波紋を呼んだらしく、
ボス、N、O、Tナカ、鳩おじさん、ペロリが輪になって話していた。

 


N「昨日は(取締が)締めの作業で忙しいからこっちも気を遣った」

 

 

この一言で何となく事態を把握した。

 

 

この数ヶ月ずーっと注文が凄い事になってて、

現場の手が全く足りていない。

事務員も出来る事で応援に入れと殿から言われている。

取締は事務員。

"やってる"事を殿に見せないとという意識がある。

対して、事務員は25日締めの関係で忙しいと知っているN。

 

取締が「手伝う事ある〜?」と来たなら、

忙しいのに大丈夫〜?と遠慮と感謝をしつつ、

作業が遅くても構わないものを悟られないように渡すのが平和の道だった。

 

しかしNは遠慮で終わらせてしまった。

 

取締は自分が尊重されないと頭に血が昇ってしまう。

Nは学習しない。

 

 

 

強迫観念と配慮のバチバチが起こったと思われる。



ボス「なんであたしに愚痴るの?聞かされたあたしのがもっと嫌な気持ちになるわ!」
鳩おじ「ボスさんがいなくなったら死ぬんじゃない?」
ボス「あたしもそう思う。あたしがコツンとやったら死ぬと思う」

 

 

説明すると、取締はボスに依存している事で有名。

ボスに対しては気を回してあれもこれもを進んでやってくれるけど、

NとO、2人に対しては途端に面倒臭い女になる。

取締って役職ではあるんだけど、

職場環境を悪くする為に放たれたとしか思えない性格をしている。

一族経営だから人格も成績も問われないのに、

そんなに攻撃的に防御しなくても誰も襲わないのにな、って感じだけど。

 

顔面にワレモノシールが貼られている。

 

2人が離職しない自信があるからとことん甘えてるんだと思われる。

 

ボスはボスで、繊細で重いものを背負わされてて大変。

 

 

取締にはボスしかいない。
自分に同調してくれると信じている。

一方、ボスは殿から取締の事をよろしくと言われてバランスを取っている。





10時。
腹立つのが我慢できなくてわたしに詳細を教えてきたNO。
いつしかさんにも当たったら可哀想だし、と理由をつけて。

昨夜、わたしが帰った後に取締が加工に応援に入り、
加工が忙しいから事務員も手伝え、と殿から言われていた取締は積極的に、
「明日も事務員二人でやろうか?」と聞いた。

Nが遠慮すると、それに怒ってバンッ!と音を立てて、気がついたら取締は帰っていたらしい。
めちゃくちゃ機嫌が悪くて、事務所で仕事していた営業達はその気に当てられた。

そして駐車場で車を発車させずに、ボスに長文の愚痴をLINEで送っていた。
N達は2階の窓からこっそり覗いて車が発車するのを待っていたらしい。

ボスが「Nは締めで忙しいのを配慮した」と返信すると、
ボスにも腹を立てて完全孤立の怒りのデスロードを爆走し始めた。

だから今朝、取締の車にデカい十字架が付いてたのか。
1人ずつ括るために。

嘘だけど。


だから今日はみんなに近づきたくないあまり、この業務室に近づかない気らしい。
行動に制限が出たと言うことはつまり、部下のTナカの仕事が増えるという事。




事のあらましを聞いたわたし。感想を言う番が来た。

わたし「精神異常者と見るしか」

O「でもそれに関わらなきゃいけないこっちとしてはさー」

病気のせいにされては嫌だ、と。
そりゃそうだな。でも精神が過敏すぎるのは確か。

わたし「実害があるからなー。分かった。精神異常じゃ無い。育たなかったんだ」

NOが食いついた。
O「ほんと小学生みたい。小学生のが大人っぽいか」

仕方が無い事情より、本人の問題とした方が食いつきが良かった。

今はイライラしてどうしようもないNOの気持ちを軽くすべきであり、
ちょっと引くくらいの非難を続けた。
でもスルスルと口から出てくるな。
なんだこの慣れ親しんだような口は。


その場に居合わせて無い第三者(わたし)にも酷さが伝わったと思ったか、
少しスッキリしたようで仕事に戻った。







それからしばらくして、内線がかかってきた。
あまり見ない電話機の番号だったので直感で"隣の"からだと分かった。
何か思いついちゃったんだろうな、と憂鬱になりながら出ると、第一声が「あ!隣のです」。

「あ!」が鼓膜に響いてすぐに受話器を耳から離した。

現場は機械の音が大きいから通話の音量を最大にしている。
仕方ないから我慢してるが、隣のは甲高い声だから音波の攻撃力が高い。
思わず、鼓膜が破れるわ!と言ってしまうほど。
イチャモンつけてるようだけど本当だし。


通りかかったNが「仕事中だろ!」と"隣の"の集中力に関するツッコミ。
隣のは思い付いたら『後で』が出来なくて衝動的に動いてしまう。それが約15分毎。
元々の仕事がそっちのけになるからNのはそういう意味のツッコミ。
さっき愚痴を聞いたからお返しで反応してくれたんだろう。
しばらくはこんな感じで良い人をやってくれそうだ。

わたし「第一声『あ!』だから耳壊れそうになりましたよ!」
O「こっちにまで聞こえた笑」
わたし「『あ!』は音でっかくなるんだから第一声『す!』にして欲しい。『ぬ!』でもいい。」

ふざけてない。真剣だ。








現場の天気娘に「隣のさんが引き継ぎの張り切ってるよ」と声をかけられた。

明日Macの見積もりもあるしね。
隣のが呼べと言うから呼んだけど、
まだ買わないのに大丈夫なんだろうかと不安だよ。



天気娘に取締騒動を聞いた。

Tナカは天気娘に愚痴を漏らす事もあるから、
今回の事で取締の部下であるTナカが苦労してないだろうか。
これはNOも心配していた。
取締は元からTナカに意地が悪い事をするからあまり変わらないかもしれないけど。

事務員の2人が事務所で加工の手伝いをしていると、
取締が穴の抜きズレ(OK範囲)とか見つけて文句を言ってて煩いらしい。

ビク抜き加工を担当してるのは天気娘。
天気娘と取締は犬猿の仲。
取締は何か見つけてやろうと天気娘の仕事を細かくチェックしている。
だからなのかな?元々なのかな?
手伝いは助かるけど困るくらい作業が遅い。

そういうピリピリした中で、Tナカは胃を痛めているらしい。

そして今回の騒動の事で天気娘は、
「Nさんも相変わらず言い方の学習しないな」と。
以前にも似た事が起きたという。


以前、残業だか休出をするのに、
管理職のボスがいなくて取締が代わりに任されていた。
取締は加工室で簡単な手伝いをしていた。

そして帰るか、となり、
Nが「もう帰りましょう取締さん!」と声をかけたら取締がキレた事があったらしい。

何でか分かる?

「有難うございました」と感謝の気持ちが無い事にキレたらしい。
それで何日もこじらせていた。


だから天気娘は「Nも学習しないな」と言った。



どっちも気遣いが出来ないって話か。
それはわたしも参加権のある試合だ。
黙っちゃいられない。

トーナメントは今、

見返り求めモンスターの取締 VS 主体的にヤレンガーZのN

ってところか。

わたしの登録は"日記カイテルモン"で可愛い感じにして欲しい。

この戦いが終わるまでに鍛えておかねば。





悪者仕立てのフィルムパイ

20220126


水曜日

 

 

朝。

新しく見つけたフィルム出力業者からフィルムが届いた。

これが印刷の版に焼かれまくり印刷される。大事なやつ。

 

以前送った時に電話がかかってきて、

「データに破線入れてくれればそこでフィルムカットするから」と、

常識でしょ、ってな感じで大きな溜息を連発されながら言われたので、今回玄人ぶってやってみた。

 

 

 

カットしないで仕上がって来た。

 

 


カットしてねーじゃねえか。

 

 

 

 

どういうことだ。どこまでも腹の立つおやじだ。

 

 

 

カットしてくれるおやじとカットしてくれないおやじが二人いるのかよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

10時頃

わたしは電話が苦手。

馴染みのある語彙が少なくて言葉に不自由する。

(電話だからって訳ではないけど)

 

それはNも同じ。よく分かる。

だって今日、

 

N「あ、えっとぉ他の者が見積もり致すので」

 

武士だった。

 

 

向こうがグイグイ言ってくる人だったようで、初めからあわあわと慌てていた。

背伸びした言葉を使おうとした結果、武士になったんだろう。

 

電話が終わり、触れようか触れまいか迷ったけど止めておいた。

武士の情けでござる。

 

 

 

 

 


11時

この間から隣のに引き継ぎの時間を取るよう言われていた。

 

最初は「引き継ぎたい事がいっっっぱいあるの!」と聞かされた。

最終的に「あんまりないんだけどね。30分くらいで終わる。」に落ち着いた。

 

 

ノンストップで仕事のピークが来ている為、タイミングが難しかったが、

そろそろ時間見つけなきゃと思い立った。

 

 

夜だとダラダラするから日中が良い。

なので天気娘に、日中隣のがいなくても現場は大丈夫かを確認した。

 

 

「もう隣のは必要ない」という返答を貰った。

 

 


天気娘「ここでよく言ってる。『引き継ぎいっぱいあるのに断られちゃった』って。いっぱいあるのにって。

アタシは『いつしかさんも忙しいんじゃないの?』って言うんだけどさ」

 

わたし「何の引き継ぎか検討が付かないんですけど。

どうせ1を100にして言ってるんじゃないですか。この前『凄い大変なんだから!』って引き継ぎされたの、集金袋に貼る名前のデータでしたよ」

 

天気娘「あたしだったらうるさい!ってキッパリ言うのに」

 

 

天気娘はよく、自分はサバサバしてるからはっきりものを言っちゃうのアピールをしてくる。

「隣のさんはアタシには勝てないと思ってアタシの言うことは聞く。」という事を言っていた。

 

 

隣のは定年まで後1年という所で、辞めるか大人しく左遷を受け入れるかという窮地に立たされ、

左遷を受け入れた経緯がある。

 

つまり左遷先のここは畑が違うと思っているはずで、

隣のはどこか現場を下に見ている気がする。

競争相手ではないから大人しいんだろうと。

 

残り1年は初心者マーク付けて無責任のまま過ごしたいと思っているようだから。

 

 

 

 

 


昼前。

N「またフィルム失くしたかもしれない、おばば。」

 

おばばというのは"隣の"の事。

わたしが"隣の"を指す言葉として"おばば"と呼ぶので浸透した。

 

 

おばば何度目よ。

フィルムが無いという事は印刷版を焼きまくれないから印刷が出来ないという事。

 

 

印刷オペレーターのランボーもよくフィルムも失くす。

ランボーの方は手のひらサイズのフィルムを扱い、袋を逆さまに持って歩くから道のどこかに落ちていたりする事が多い。

 

隣のが触るのは大体A4〜の大きなフィルムばかり。

逆さまにして落ちても分かるだろうし、誰かが気が付くだろう。

どこに失くすんだろう。

前のも未だに見つからない。

 

 

 

今はわたしが作ってるが、その前は隣のがフィルムを作っていた。

フィルムには細心の注意を払えと人には言ってるが、自身はフィルムに対して不注意過ぎた。

そんなもんだよね。

 

 

 

 

 


現場が昼休憩の時、廊下を猪突猛進に進む隣のを呼び止めた。

 

わたし「引継ぎがあるってやつなんですけど、日中が良いんですけど」

隣の「明日はTナカさんやるから」

わたし「じゃあ金曜日。見積もりが終わった後のが良いんですけど、見積もり何時間もかからないですよね」

隣の「あたしのがそんなにないかも」

 

 

天気娘には『いっぱいあるのに断られちゃった』って言ってたらしいじゃん。

すぐ、悪者仕立てに仕上げようとするんだから。

 

 

 

フィルムに細心の注意を払えとNに突っかかってくる件もそれよ。

Nを悪者仕立てに焼き上げて、自分は調理に苦労してる姿を見せるだけで自分を立てる事が出来るから。

自分を上げるのは悪者を作るのが1番手っ取り早いから。

 

好きにして良いけど、突っかかってくるのはまじでやめて欲しいよな。

 

 

はー金曜日憂鬱。

 

 

 

 

 

引き継ぎに思い出はいらない。悪意もいらない。

20220125


火曜日

 

 

抗原検査キットが品薄というのをニュースが取り上げていた。

買い占めらしい。

 

濃厚接触者で隔離され、それ以降症状が出なければ無料で検査を受ける事が出来ず、

知りたければ自腹で検査するしかなくなる。

陽性者も最終確認は自腹なのかな?

それで買い占められているみたい。

 

弊社も会社に復帰する前に検査してから、というルールが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は快速急行社の出荷日だった。

100件は切ってるらしいが、大変らしく。

 

金曜日に業者がMacの見積もりに来て作業止まるから、どんどん仕事を進めたいところ。

 

まじですかー。

 

 

 

 


 

 

 

朝礼後。

 

営業のペロリ「いつしかさん・・・これうちで作ったんだけど・・・」

 

ペロリは毎度深刻そうな雰囲気でコソコソ話出す。

不具合でも出たかのよう。

まじで心臓に悪いから止めて欲しい。みんな言ってるよ。

 

 

 

 

ペロリ「これがうちが作ったやつで、こっちは他社が作ったやつで、お客さんが他社の方に合わせたいって」

 

 

なにぃ?

 

 

今取り掛かってる新規達の話だ。

雰囲気が違うから他社さんに合わせて欲しいとの事。

 

他社さんと何が違うのかは分かってる。

文字高だ。

そうペロリに話すが伝わらない。

2つを並べて比較し、文字ではなく周りの枠なんかを定規で測り出す。

そして首を傾げる。

 

分からないってちゃんと言わないとこのまま話進めるぞ。 

 


 

文字高の件は、以前にお客さんに了承を得た話。

なもんで、今回の新規ももうその設定で何種類か作り終わってるんですけど?

 

 

ペロリ「だってお客さんがそう言うんだからしょうがないじゃん」

 


はい、出た。言うと思った。

今度同時に言ってやろう。


お客さんの意思は分かるよ。

会社が意図してやってる事をお前が分かって無いのが問題なのだよ。

 

 

 


弊社は加工の関係でわざと印刷に余裕を持たせる事をしている。

文字を小さくするのもその関係。

 

材料の縮みを想定しているから。

乾燥機に入れたりもあるし、湿度も影響する。紙はペロリより繊細なんじゃ。

 

印刷が縮むとカッティング機で刃を入れる時にズレが生じる。

そうなると妥協点をプロの加工人が1枚1枚探りながら切る事になる。

だから少しでも余裕が欲しいのだ。


 

お客さんには以前からこの事を毎回説明して了承を得ていたはずのに。

ペロリは何も考えず「へへっわっかりましたー(ペロッ)」なんて返事したんだろ。


 

こちらの修正は面倒だけどやるさ。出来るから。

やるけど、文字が切れるかもー?ってお客さんに説明しと・・・かないんだろうな。

もうこちらは指示通りにしかやらないからな。

せめてペロリが決めた面付を少なくしないとマジで無理だぞ。

経験上2面が妥当だぞ。

 

 

 

 

 

 

・・・結果的に何も変わらず、面付は多いままでやるつもりらしい。

材料ギリギリまで使いたい意味は分かるが、現実的に無理だ。

面付た内、何面かは絶対無駄にする。

 

 

 

 

だから際どい印刷をしたくないのだ。

分かるかペロリ。


首を傾げるな。

 

 

 

 

 

他社さんのを見るとまぁ、見事に文字の下面ピッタリで切れている。

弊社は多分検査のプロがNGにするレベル。

他社さんを悪く言ってる訳じゃ無い。

弊社が加工すると文字が切れると思うから下面ピッタリですごいと思った。

悪く言ってないって。

 

 

 


ペロリには1番苦労させるであろう加工の人と打ち合わせするように促した。

 

するとペロリは数秒間体を硬直させ、時が止まった。

 

それかわたしの方が時間を超越した。

それかペロリの方が止まって見えるほど超越していた。

 

 

 

 

数秒というには長い時間硬直が続き、

やっと動き出した、と思ったらペロリはそのまま部屋を出て行った。


打ち合わせをしないでサプライズするつもりだ、と察した。

 

 

 

サプライズ・ペロリは何度言っても根回しを理解しない。

納期ギリギリまで誰にも話さず、時が来たら現場に丸投げ。

 

文句を言われたら「お客さんが言うんだからしょうがないじゃん」で現場を黙らせようとする。


みんながお客さんに対して怒ってると思って本人はケロッと、間違えた、ペロッとしている。


今回も加工の人には、

「もう印刷までやっちゃったからなんとか加工やってよ」と、

有無を言わせない状態にとっととしちまおうとしている。

 

そういうサプライズ。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休憩が終わり、Nが「いっつー忙しいね」と聞きに来た。


休憩に入る時に加工室から、

N「いっつーが来てくれれば・・・」

と既に聞こえていたから心の準備は出来ていた。

 

 

いや、出来てないよ。

こっちは仕事が朝より増えてるよ。

 

 

N「だよね・・・」

 

引き下がりそうで下がらないN。

 

いっつーがピンチになったとしても誰も手伝えないから強く要請出来ないN。

でも出荷間に合わなかったら『いっつー手伝いもせずに何してんだ』になるんでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

出荷は16時半には終わったけど、

応援に向かってまず言われたのが「現品票貼る?」。

すっかりわたしの仕事になっている。

 

世界一無駄な時間(誇張)を使ってたからそれの改善案を出したら、

それがそのままわたしの仕事になって、「現品票貼る?」はそれの合図。

 

応援に入った時間が遅いと検査員にめちゃくちゃ追い立てられてそれをやることになる。

私が来る事を想定しておかないでいいよ。

わたしを置いて先に行って。

 

 

 

 

 

 

 

 


残業。

 

やっと落ち着いて自分の仕事に戻れる。

と、思いきや、

定年退職間近の"隣の"が三代目にISOのデータの在処を引き継ぐとかで隣に座っていた。

 

 

うわーうるさそー

 

 

 

 

数年前にISOの品管を退いてからというものの、

不治の仕切りたい病を患ってるから全然退かなかった"隣の"。

定年という強制力によりやっと引き剥がせた。

 

 

 

そもそもデータの在処を引き継ぐって?

資料を更新しようにも、三代目はそのデザインソフトの操作出来ないぞ。


つまりそういうのは全部わたしの仕事になるやつ。


 

注文書とか証明書とか人事のアンケートとかくじ引きの番号とか当番表とかパートのシフト表とか、

細かな社内物まで何でもかんでも”隣の”がデザインソフトで作ってあげちゃうから全部わたしの仕事になった。

日付の更新とかちょっとした事でもわたし1人がいないと出来なくなってる状態。

 


作ってあげちゃうのは良いけどさ、何でもかんでもデータの独占は良くない。

引き継いだわたしも面倒くさい。

みんなもわたしという理解力の乏しい奴に伝える時間を要してちょっと面倒だと思う。

忙しそうなのにこんなちょっとの変更やってもらうの気が引けるな、とかあるじゃん。無いか。

 

 

Officeソフトでやってあげた方が良い!と108回くらい"隣の"には言ってみたけど、

データを独占して優位に立つ事が目的なのか、

作ってあげた事に感謝されたいだけなのか・・・

自分がやりたいって事が重要でそれに突き進む。

 

 

 

 

 

みんなが操作出来ない環境で資料を作ってしまうから、

"隣の"の言う事を聞くしかなくなる世界の誕生。

 

これで良いや。これにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

ISOの引き継ぎだが、自分が作ったデータの思い出話が大半だった。案の定。

 

「昔はね」

「昔はね」

「大変だった」

「大変だった」の繰り返し。

 

付き合ってあげてる三代目。

一向に引き継ぎらしい事は進んでいない。

 

 

『こんなに大変な事をあたしはやって来た』

っていうマウントに聞こえちゃうのは穿ってるだろうか?

 

 

コソッと「みんな協力的じゃないから」と教えてる辺り、結局は『あたし1人の頑張りのおかげ』と三代目に思わせている。

そう聞こえちゃうのも穿ってるだろうか?

 

 

 

 

 

『あたし1人の頑張りのおかげ』ではなく、

『あなた1人しか使えない環境のおかげ』でもある。

 

 

 

 

 

 

隣の加工室から笑い声が聞こえる。

"隣の"のテンションが高いから加工室まで声が漏れているらしい。

 

おい、笑われているぞ。

 

 

 

 

 

O「ちょっといつしかさんが可哀想だから」

ボス「ああそっか」

 

加工室から聞こえた。

普段開け閉めが面倒だからと閉めさせてもらえないドアを、"隣の"の声が聞こえないように閉めようとしていた。

 

はい、恨みます。

 

 

 

 

 

 

 


"隣の"の話、もはやISOは関係無く、自分が礎を築いたという思い出話、苦労話になっていた。

わたしが使う作業データにまで説明が及んでいる。

 

目に入った物をどんどん説明していってるみたい。

 

 

 


隣の「補助金のがこれ。これ書類作るの大変だったんだよ〜」

三代目「補助金面倒臭いですよね。そういうのって補助金使うからってそこの営業に任せられないんですか?」

隣の「どーだろう。ISOも代行業者があるくらいだしね・・・」

 

 

 

過去にも業者に出せないのかと何度か聞いた事があった。

その時は「うちのは複雑だから業者に任せられない。どれだけ大変か〜」とヒステリーを起こしてしまい、話す場を持てなかった。

 

今もまた、三代目に「業者」という言葉を出されてショックを受けた様だった。

 

ヒステリーを起こした時もショックだったんだろう。

「あたしがこんなに頑張ってるのに!」って。

 

 

"隣の"は本来の仕事でよく怒られる様な事をするから、書類作りでポイントを稼ぎたい人だった。

だから色んな物を独占して自分の評価を上げたかった。

そうしてデータを独占する独占神が生まれた。

 

 

 

 

神の御心は分かった。

下界の人間の視点だとこうなる↓

 

本来の仕事の生産性が無く、というかマイナスで、「書類作りで忙しいんだ!」とヒスり、

偉い人が注意するまで何ヶ月でもそれにかかりきりに。

かかりきりなのに、前にやった仕事のミスが返ってきてマイナスだけ増えていく。

 

そんな漫画のオチみたいなのがちゃんとつく独占神。

 

下界から見上げるとこんな感じ。

 

 

 

 

 

 

隣の「元はあたしがデザインソフトで作ったんだけど、これ笑い袋さんがExcelで作ったんだよ!あの子凄いんだよ!」

三代目「機械配置図ね〜、それ〜完成されてなかったんですよ。俺直したんですけど」

隣の「うそ〜」

 

 

久しぶりの笑い袋。

去年退社して行った人。

簡単に説明すると『"隣の"を継ぐ者』って感じの人。

 

 

 

 

"隣の"は自分の優位性を脅かさない相手を大袈裟に褒める癖がある。

「出来ない人だけど、こういう事は意外と出来るのよ〜」というニュアンス。

 

相手を立てず、自分自身を立てる。

褒めながら踏み台にするという高度なテクニック。

 

 

 

 

 

 

 

1時間ほど話してると、"隣の"は誰に何を話しているのか分からなくなった。

 

 

「この写真はどこどこ行った時の〜ここに写ってるのが業者の誰々で〜」

 

写真の紹介を始めていた時、

「殿は整理が出来ない」

「あのおばさん(取締)もただ見るだけで・・・云々」

という感じで愚痴り始めた。

 

 

殿の息子であり、取締の甥っ子である三代目に。

 

 

 

 

気を抜き過ぎている。

 

 

 

三代目は何を思ってるのか分からないけど、ちゃんと苦笑いで相槌を打っていた。

 

 

 

 

 

隣の「資産管理番号あたしがラベプリで作ってるのよ。本当はあのおばさん(取締)がやらなきゃいけないのにさ。

誰かに説明するわけでもなくさ、あたししかやってない。

あたしがいなくなったらどうすんだろうね!」

 

困るのがさぞ楽しみ〜!といった"隣の"に、ちゃんと苦笑いで相槌を打つ三代目。

 

 

 

ささやか過ぎるよ楽しみが。

 

それよりその「後々どうするんだろう」って感覚をお前が独占してる様々な社内物データにも向けて欲しかった。

 


 

 

 


 

そして有難い助言を賜る三代目。

 

 

隣の「(やる事多いと思うけど)そのうち体が勝手に覚えるよ」

 

 

そう言ってる本人は、殿の身内を相手にしてるの忘れてるけどな。

 

 

 

「えー!こんなに覚えられるかなー!?隣のさん1人でこんなにやって凄いですよー!」

・・・は、三代目の口からは出なかった。

 

 

 


 

 


引き継ぎは2、3時間で終わった様子。

 

 

 

ただし、

"隣の"の引き継ぎは終わった後も厄介である。

 

「(やる事多いと思うけど)そのうち体が勝手に覚えるよ」と言った辺りから厄介なのが始まろうとしている。

 

 

今は『尊敬されたい』『優位に立ちたい』欲が強く出てて色々話してくれるが、

この欲が満たされると、今度は急に『困ればいい』という態度に豹変する。

 

 

自分が徳をした後は相手に損をして欲しいという願望が出て来るみたいで、足を引っ張り始める。

自分が独占していた事をすぐに出来てしまっては面白くないのだろう。

 


困らせたいが為に同僚に「〜を困らせてやろうよ」と呼びかけたりもする。

ちゃんと悪い奴。

 

 

ちゃんと悪い奴は感情の昂りもなく、平常心で恥部を晒せるから恐ろしい。

ちゃんと悪い奴はちゃんと変質者だ。

悪意がちゃんと露出している。

 

 

 

 

 

皆から崇め奉られたい独占神を止める為、

オチノカミ(オチの神)が丁度良い所で罪に対する罰を与えてくれているから、

独占神"隣の"が目的を達成する日は来ない。

定年でさようならだ。

さようなら。

 

 

 

 

 

理不尽な月曜日

20220124


月曜日


一昨日の土曜日にコロナ感染者が1万人越えた。

 

 


成人式あたりから濃厚接触者になってたパートのピンクさんが復帰した。

息子が濃厚接触者になり、後に陽性反応。

ピンクさんは陰性のまま隔離期間を終えた。

 

 

 

 

ピンクさんは朝から不機嫌だった。

 

 

ピンク「ほんと無駄だった!!濃厚接触の疑いからの陽性だからね!余計だよ!」

 

健康体のままの隔離で暇で仕方なかったらしい。

どこにもぶつけられないストレス。

 

Oも復帰した日は不機嫌だった。態度が悪いって意味ではない。

肩身が狭い事からの罪悪感もあり、周りに恨めしい事を言わせない為の防御策かな?と勝手に思った。

 

しかしマー君はOに堂々と恨めしい事を言っていた。

「いーなー!2週間も休めて!」

 

 

こんな奴がモテる世の中になりませんように。

 

 

 

 

 

 


朝から"隣の"が現れた。

「N氏〜」だ。

 

隣のが来る時は高確率でNに用がある。

「N氏〜」と鳴くのが入って来たら隣のだ。

 

Nはさり気なく捕まらないように逃げ回っているが・・・・

 

 

見つかった。

 

 

 

 

隣のは左遷先の現場でフィルムから版を焼いたり、材料を切ったりして印刷の前準備が主な仕事になっている。

新人の仕事だ。

 

定年まで後1年というところで左遷されて来たから、新しく仕事を覚えてもらうって感じでも無い。

それに落ち着きも無く、10分毎にどこかに行っちゃうから左遷先でも扱いに困っている。

新人と仕事を分け、それで管理職としての給料なんだから、劣等感で突っかかって来るのはやめて欲しいもんだ。

 

 

 

で、そんな感じの隣のだけど、

マウントを取りたいが為に、人を試すのも仕事の内にしている。

育てよう、じゃなくてただのマウント。

 

 

 

 

隣の「版を焼く前にフィルムがめちゃくちゃになってるから整えてよ!」

 

多色ものの印刷なんだろう。色の数=フィルムの枚数。

 

N「ん?これ入れ替えてない?」

隣の「入れ替えてないよだって・・・」

N「現場で入れ替えてない?これがこっちで。これがこっちって書いてある。」

 

材料を切ってる時に何度か紛失騒ぎとか前科があり、

今回も自分でぐちゃぐちゃにした心当たりがなくはないみたいで、勢いが弱まる隣の。

 

隣の「いやいや、これは理解出来ねーぞ?こういうカラクリがあるって事は・・・じゃあここの図番を信用しちゃって良いってことね?」

 

図番じゃなかったら何を信用するんだ。

隣のの負け戦だな、と確信した。

 

N「だってそう書いてある」

隣の「いや〜?いや〜?これ危険だね。ちょっと譲太郎さんとも相談するわ。危険危険」

 

いそいそと去る。


N「お前が一番危険なんだよ」

 

隣のには届かなかった。

 

 

 

 

 

 

それから数分が経ち、わたしはOと打ち合わせしていると、隣のから内線がかかって来た。

基本的に嫌な予感しかしない。

 

 

またMACの買い換えの話だった。

 

「見積もり取っちゃって」と言ってきた。

即座に「はーーーい」と返事をしてとっとと電話を切ろうとすると、

隣のは長電話がしたかったみたいで独り言がグダグダ続いていた。

 

わたしは受話器を耳から離したままOとの打ち合わせを続けた。

 


Oが隣のに聞こえるように「いつしかさん忙しいの!」と、電話を終わらせようとしてくれているが、

隣のは自分の声しか聞こえていない。

 

 

ちなみに隣のは、自分より忙しい人の事が大嫌いだ。

忙しさを張り合って自分の仕事量を誇張する癖がある。それはそれはうるさい。

だからあまり忙しいアピールはして欲しくない。

 

 

 

 

 

 


それから30分もしない内に再び隣のが部屋に現れた。

 

隣のデーなの?

ポイント何倍なの?

嫌なサービスデーだな。

 

 

「N氏〜N氏〜?いない〜?現場かなー?」と捜して今回は見つけられなかった。

 

 

 


隣のが置いて行ったメモを見つけてウンザリしているN。

 

 

 

 

 

 


夕方。

 

ボスが加工していた。

ボス「30枚以上だよ?あいつ。あいつ。隣のさん」

O「あいつ」

N「あいつさー」

 

連鎖してみんな隣のを「あいつ」と言う。

隣のが適当な仕事をしたのがバレたからだ。

いつだって適当だけど、後工程の迷惑度が高いとこうなる。

 

ボス「天気娘さんも、隣のさんがやったやつ見ないのかね」

 

 

天気娘の監督不行届。

 

隣のは管理職なんだけど、みんなから管理してもらっている立場。

天気娘の作業場でのミスなので天気娘の責任が問われた。

 

 

 

 

走れモラル

20220121


金曜日

 

 

 

事件があった。

 

 

 

 

まず朝から、"隣の"が廊下の壁にへばり付いてる奇妙な姿を目の当たりにした。

これは事件では無い。

事務員のTナカの打ち合わせが終わるのを待ってるらしい。

 

Tナカは現在発送の打ち合わせ中。

 

 

 

打ち合わせしてる部屋に入ると、みんなが取締に憤慨していた。

 

発送の打ち合わせではなく愚痴大会中だった。

これは事件。

 

 

 

 

 

 

事件は昨夜、夕方の休憩後から起きたという。

 

NOが休出したいという件で、

Oは良いけどNは休出しちゃ駄目!と取締に言われたらしい。

 

濃厚接触者で2週間休んでたOは休出する意味が分かるけど、

通常通りだったNはこれ以上休出しないで、と。

 

嘘でも「そんなに仕事して体調が心配よ〜」とか言っとけば良いのにね。

 

 

 

鍵開け職人(鍵を持ってる管理者の意)は営業の小町にお願いしていたけど、

代わりに取締(経営者)が来ると言い出し、

殿(社長)に事情を説明するのはボスに任せると。

 

 

 

 

 

それが今朝になり、急に取締が鍵開け職人の任を降りると言い出した。

数時間で退任の意を示した。

 

 

取締は乱心か?

 

 

 

 

取締はボスに依存的であるが、保身の為ならば平気でボスを差し出す事が出来る人。

ボスはそういう邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

 

取締はこの件が殿の怒りを買ってしまうのではと思い至り、関わる事を放棄したのだ。

つまり説明する人(ボス)は叱られると予想している。

 

ボスがセリヌンティウスならば、

勝手に身代わりにされた事を恨みながら、確実に処刑されていただろう。

しかしセリヌンティウスにはあらず。

 

 

 

 

 

ボスは激怒した。

 

 

 

ボス「『ボスさんから事情説明して』って言われたけどさ、取締さんも事情知ってるだろ!って。

なんで休出しないあたしから説明するのよ!

『Oヤンと小町さんが休出するんで』って、あたしが!?」

 

 

 

妄想だけど、取締側からしてみると、

昨夜ボスから愚痴を聞き、依存してる取締はボスを困らすNOの事が許せなかった。

それだけであからさまに態度に出すのが取締。

 

ボスは想定してなかった嫌な役を押し付けられて怒っている。

 

そう、NOやTナカを集めて話の中心にいるが、

よくよく聞くとボスは自分への仕打ちについて腹を立てているだけ。

 

ボスはコロッとNO側へ寝返っていた。

一致団結してるし、取締に愚痴ったボスが発端だと言う事は、黙っておこう。

でも日記には書いておこう。

 

 

 

 

 

ボスが激怒してるところに、取締が話を聞きに部屋に入って来た。

 

愚痴大会を匂わせずに打ち合わせのようなものを終わらせ、解散した。

 

 

 

自分の席にいただけのわたしは勝手にハラハラし、何か日常感が漂う話を振らなきゃという焦燥感に襲われた。

 

廊下の壁に奇妙な人がいるとTナカに伝えた。

 

 

わたしは隠したい事があると口数が多くなるタイプなんだろう。

 

 

 

 

 

 

廊下で立ち話する隣のとTナカが見えるが、Tナカがイライラしている。

まとも過ぎて特徴的なあだ名が付けられないTナカを立ち話でイライラさせるなんて、

やっぱり隣のは只者じゃないなと感心した。


 

 

 

 


 

 


Oが今朝の取締の発言を営業の小町に報告。

 

殿に説明するのは小町(管理職)からして!とお願いしていた。

 

 

小町「でも俺は朝の話聞いてないですよ。」

O「そうでしょ?でも取締さん自分から殿に言うのは嫌みたいで、ボスさんに振っちゃって」

小町「よくわかんねえ」

 

だな。

 

O「小町さんから殿に説明して貰ってもいいですか?取締さん殿に言うの嫌みたいなんで」

小町「なんなんだよ」

 

俺だって嫌だよな。

 

O「昨日の話では小町さんは出なくていいって言ってたけど、取締さん今日になって『あたしは出ないから』って」

小町「俺言われてねえよ」

O「そうでしょ?どうしたらいいんだろう」

 

 

呆れた取締だ。生かして置けぬ。

 

 

 

 


困ったOはボスを呼んだ。

ボスが来たら小町も態度が変わった。

物分かりの良いおじさんになった。

 

 

ボスは面倒臭いのは嫌いで、殿の性格も把握している。

自分も休出するから3人まとめて経理上の休みをスライドしてもらおう!と提案。

元々去年の分の休出のスライドだったが、それを更にスライド。

ややこしい。

ややこしいから3人まとめての処理の方が殿も分かりやすくて良いと言ってくれるはずだと。

 

殿は脳に負荷がかかるとすぐ激昂するから話はシンプルにしといた方が良いに決まっている。

 

こういう妥協と頭の回転の速さが素晴らしいボス。

本当に凄いと思う。

 

 

事の発端がボスで無ければ。

 

 

 

 

 



 

 

仕事をしてると取締が部屋に入って来た。

 

取締「今朝、材料倉庫行ったら暖かいなあって思ったの。暖房が26度で入ってたの。

誰がこんなに上げたのかなって、醤油おじさんか隣のさんのどっちかだなって。

朝来てから寝てるって言ってたし醤油おじさんかな?」

 

知らぬ。

知ってどうするというのだ。

 

取締「いきなり26度なんて暖房費ぐっと上がっちゃうよね。24度に下げといたの。

24度に下がってる!って気付くかな」

 

何が見たいというのか。

取締は、何か残虐な気持ちでほくそ笑んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

昼前。

 

話は変わって、一階の現場に行くと、醤油おじさんの「言い訳するな!」という怒号が聞こえた。

 

ランボーが2日前に機械に顔面強打してたらしく、目蓋が赤く腫れてるのを醤油おじさんが気付いた。

 

また事件のようだ。

 

 

 

安全衛生係の天気娘は、怪我の具合を間近で見て来てからというもの、顔面強打の跡が赤いアイシャドウみたいだとしきりに言う。

醤油おじさんはビジュアル系のメイクしてるのかと思った、と言っていた。

そのくらい綺麗にアイシャドウになっているらしい。

 

 

 

ランボーいわく、機械は止めてて、

顔を近づけて何か見てたらボタンを押してしまい、その仕掛けで顔面を強打したらしい。

それを黙って仕事を続けていた。

2日後に腫れてきて醤油おじさんに発見された。

 

 

ランボーは機械に髪の毛が巻き込まれても声を出さずに誰かが発見するまでそのまま。

指が機械で切断されても何でもないみたいにゴミ箱に捨てて仕事を続ける。

そんな人。

 

 

何かあったら会社は何してたんだ!になるからちゃんと報告しろ、と醤油おじさんは怒っているのだろうか?

 

 

 


病院へ連れて行くことにしたが、コロナの関係で事前予約制になっている所が多い。

しかもランボーはワクチンを打ってないから受けつけてくれるかどうか、という話にもなった。

 



 


天気娘が忙しくしていると、隣のが声をかけて来た。

 

隣のはわたしの元上司。

仕事ぶりと性格が低評価されて左遷された。

殿に「解雇にするから来い!」と言われてその場で耐えなければとっくにいなかったかもしれない人。

 

左遷される前から形だけの上司だとは思っていたけど、

隣のの方はまだわたしの事を部下だと思ってくれていて、何かと声をかけられる。

 

 

 

今回もまたいつものMACの買い替えの件だろうと予想したらやっぱりその話。

今はランボーのビジュアル系メイクの話題で持ち切りなのに。空気の読めない奴だ。

 

 

 

隣のは定年退職直前になり、ゲリラ勝負の数が増えた。

勝負ってのは突っかかってくるって意味。

 

結局は『あたしがいないとみんな何も出来ないんだから』という風に持って行きたいのが丸分かりである。

 

昔からそうやって暴走してる人だったからもう好きにさせている。

そして隣のが辞めた後に全部捨てよう、と話はついている。

 

 

ただ、今直面しているゲリラ勝負は同性が主なターゲットになっていて、女性陣が非常に迷惑している。

勝ち負けの話じゃ無いのに、満たされるまでしつこく突っかかって来るからだ。

自分が気持ち良くなる為に利用してくるからだ。

PCの買い替えの話やぞ。

 

 

隣の「今使ってるのもう7、8年経ってるんじゃない?」

わたし「7年くらいですかね」

隣の「購入時期書いてあるだろうが!」

 

答えはほぼ一致してたのに怒り出してしまった。

わたしが例え「バナナくらいですかね」と答えても何でも良くて、

予め用意しておいた文句を吐いただけだろう。

 

この会話何度もしてるから、わたしも言い方が適当だったかもしれない。

・・・いや?今日はちゃんと答えた方。

 

 

隣のは、周りは自分より劣ってると思ってるのに勝敗を付けたがる。そういう人。

劣等感があるんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

隣のを放って置いたら午後にはMACの見積りを取るように指示をして来た。

 

まだ買うと決めてないのに良いのか聞いたら、

「見積もりは無料だから良いんだよ。業者もサポートの契約してるのに全然来ないだろ?

もっと来させないと駄目だよ」

 

サポートしてもらいたい事が無いんだから来社されても困るのだが。

隣のはケーブルがちゃんと刺さってないだけで業者を呼んじゃうくらい気軽に使っていたから業者がなかなか電話に出ないようになってしまった。

感じも悪くなっていった。

 

 

これから信頼を回復しなければならないというのに。

 

しかし、隣のを無視しても暴走し始めるだけ。

 

 

 

 

 

 

 


夕方。

 

ビジュアル系ランボーを病院に連れていったのは殿だった。

 

 

ランボーは最初、「転びました」と話していたという。

醤油おじさんが「どこで転んだんだよ」と聞くと、

「・・じゃあ本当の事を教えましょう」と言って機械にぶつかった事を教えてくれたらしい。

 

よく分からないでしょ。

わたしもビジュアル系の世界観には疎い。

 

 

 

 

で、帰って来た殿がボスにぜーんぶ話す。

 

殿「あいつ独特な匂いすんな。車の中くせーよ」

ボス「週末ですからね」

殿「保険証もなかなか出てこねーし住所書くのも遅いしよ、仕事もそうなんじゃねえか?」

 

殿が目を背けてるだけでみんな知ってる。

 

殿「待合室じいさんばあさんばかりだったけど、あいつ痴呆症のばあさんと変わんねーよ、馴染んじゃって」

 

 

ランボーは怪我も気にしなければ見た目も気にしない人で、

風呂は使わずキッチンで髪を洗い、それも週1回だけと決めているらしい。

だから週末になるにつれて臭いがキツくなって来る。今日は金曜日だ。

着る物も生地が傷んで透け透けで、穴が開いてても気にしない。そういう人。

 

恐らくケチとかじゃなくて、お金があるなら全部宗教に注ぎ込むから、自分を無くしてるのかもしれない。

 

 

殿の言わんとしてる事は分かる。

 

 

 

ここはお金を持ってる殿がマントを捧げる役ではなかろうか。

 

 

殿が、緋の服をランボーに捧げた。

ランボーは、まごついた。

佳き友は、気をきかせて教えてやった。

ランボー、君は、生地が擦り切れてるじゃないか。早くこの服を着るがいい。殿は、ランボーのモラルの低さを、皆に見られるのが、たまらなく恥ずかしいのだ。」

 

 

ランボーは「あぁ、ありがとうございます。」

と服を受け取り、その場では着ずに、リサイクルショップへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

露出狂と鍵開け職人とやばいの幕開け

20220120


木曜日

 


 

水分補給に食堂に行くと、朝礼を待つオタプリがいた。

 

オタプリは大抵スマホゲームに夢中で挨拶だけ済ませる事も多いが、たまに雑談したい顔をする時もある。

今日はその雑談したい日みたいで視線を感じた。

 

 

先週から始まった月9ドラマを話のきっかけにしてみた。

オタプリは普段ドラマは観ない人だけど、

原作漫画の作者のファンだからちょっとは盛り上がるだろう。

この実写ドラマに関しては以前、主演の外見的イメージが違うという話でちょっと盛り上がった。

だからちょっとは盛り上がるはずなのだ。

 

 

 

 

わたし「月9良い感じですよ!」

オタ「あ、あたしも見た!2話からなんだけど、あの友達っぽいのが犯人って・・・あ、原作読んだ?」

 

 

 

恐ろしい奴だ。

 

まだ犯人は分かっていない状態なのにいきなり犯人をバラすなんて。

 

 

わたしが「実写化ドラマの雰囲気が良い」と全体の感想を話したのに対して、

唐突に犯人を明かしてくるのはおかしい。

しかもちょっと急いだ様子で。

誰と競ってるんじゃろ。

 

これはかの有名なマウントっちゅーやつじゃろ。

マウントっちゅーのは無節操にいきなり乗っかってくる盛りのついた奴の事じゃ。

セクハラの事じゃ。

 

 

 

 

 

オタプリはこちらがまだ役名を覚えてない可能性を考えて誰の事を指してるのか言葉を選んでくれた。

 

好きの熱が高まり過ぎてのうっかりなら役名で話すだろう。

狙ってるからドラマを観た人なら誰もが分かる表現を使ったんだろう。

 

 

 

 

オタプリは気持ち良いかも知れないが、

オタプリがこれからどんなに良い行いをしても「でも、ネタバレしてくるんだよな」が全てをマイナス値に変える。

 

間違えた。

「でも、セクハラしてくるんだよな」だった。

 

 

 

 

面白いからと借りた漫画のオチをその場でバラされ、

興味無いから読まないと断っても借りる羽目になった漫画もその場でオチをバラされ、

これってセクハラだよね。

1番隠れてなきゃいけないものを出してくるんだよ。

露出狂だよ。

 

 

 

 

 

露出狂対策な意味は全く無いが、

実はわたしはドラマの原作を4巻までは読んでいた。

 

 

 

「4巻まで読んでるんでネタバレ大丈夫です!」と伝えると、

 

 

オタプリは一瞬驚いて言葉を失った。

 

「あ・・よかった。」

 

物足りなさそうに。

 

 

 

 

 

いやー良かった。

露出狂を気持ち良くさせずに済んで良かった。

 

 

無料キャンペーンの策にまんまと嵌って大人買いし、遅いながらコツコツ読み進めているところだった。

あぶねーあぶねー。

 

 

 

 

 

そして読んでいたからこそ、オタプリの間違いに気が付いた。

 

オタプリのいう「友達っぽい」人物は犯人ではない。

 

ネタバレした挙句大事な所を間違えていた。

 

 

 

わたしが何も知らなきゃ「ドラマの展開違いますね?」とオタプリに恥をかかせに行くところだった。

露出狂に恥も何もないだろうが。

 

 

 

 

 

 

 

 


朝礼後

 

NOが土曜日こっそり休出したいと話している。

なぜこっそりかというと、

年末のはみ出した休出分を書類上今度の土曜日に移動してるから。

 

出過ぎた。

 

去年はすこぶる忙しくて休出ばかりの日々だった。

今年もずっとそうなるのかも知れない予感がしている。

 

殿は出勤日数を書類上調整する事で良い社長のつもりになっているところがある。

経営者がやれる事はもっともっとあると思うが。

 

 

 

休出の理由は、Oは濃厚接触者で休んでて2週間分を取り戻したいから。

これは仕方ない。

 

Nは日中パートさんの手が足りない所に入ってて、その分の追い付いてない手配作業を進めたいから。

ずっとこんな状態。

 

業務過多というのか、人がいれば解消されるものなのか。

 

 

 

 

 

 

 

管理職が会社の鍵持ってるからボスに頼んだが

ボスはその日付き合えないみたいで、

営業の小町を鍵開け職人で狙う様子。

 

 

 

 

 

 

 


しばらくして狙われた小町が現れた。

 


O「小町さん土曜日暇?遠くへ行っちゃう?行かないよね?行ったら怒られるもんね」

 

コロナで遠出出来ない状況の事を言っている。

昨日の東京の感染者数7300人。

 

 

小町「血圧の薬が・・・」

O「病院か。じゃあ来れるね」

小町「・・・来て何すれば良いの?」

O「鍵開けて」

小町「あ、それだけ?」

O「あと帰る時連絡するんでそれだけやってほしい」

 

小町はタジタジになりながらも鍵だけ開けに来いと言われてからはとても素直になった。

 

 

 

 

 

 

 


 

何の流れか、パートさん達が笑い袋と同期で入った人に「あれから笑い袋さんに連絡とった?」と聞いていた。

 

女子キム「連絡しようかなと思って、してない」

プチ「今何してるんだろうね?」

女子木村「勉強するって言ってました。資格取るために」

全員「ふーん・・・」

 

もやもやした空気が流れる。

 

 

ムード「・・・資格取ったからってすぐ働ける訳じゃないでしょ?」

プチ「うん」

 

再びもやもやした空気が流れた。

 

もうこれ以降この話をする事はないだろう。

 

 

 

 

話題を変えてプチさんが自分の娘の塾に「訴えてやるー」と言いに行った話が始まった。

 

面白そうなのでこのままリスナーを続ける。

 

 

 

娘の成績がどんどん下がっていくから面談で一体全体どういう事か聞いたらしい。

 

 

プチ「申し訳ありませんって言うから、『申し訳ありませんはいらないです』って。

あなた塾長なのに責任はないんですか?訴えますよ?って言ったの。元は娘が悪いんだけど!」

 

娘にも原因があると認めつつ、

でも訴えたいらしい。

実際に訴える訳ではないと思われるが。

まずは脅しだろう。

 

 

以前、プチさんの娘は学校の授業中にノートをとらないと聞いた事がある。

寝てる訳ではなく、ニコニコして先生の顔を見てるだけらしい。

どういう事かは分からない。

席も1番前と決まってるらしい。

何を意味してるかは分からない。

 

 

学校でその様子で、塾では頑張ってるって事で良いんだろうか?

その前提だとして、塾行ってるから勉強しなくていいやって考えなのかもしれないなと思った。

 

 

 

塾長にまた別のオプションコースを紹介をされたプチさんは、

「さらにお金取るんですか!?」と怒ったらしい。

 

あ、怒ってないらしい。

なるべく怒らないで言ったらしい。

 

怒らずに言った、怒らずに言った、と何度も主張するプチさん。

言えば言うほどプチさんの怒りが伝わる。

 

 

プチさんは「あたしが正しいでしょ!?」とすごく主張するタイプ。

そこらの店で騒動を起こしてる話をネタとして披露してくれるから、面白いのと引いちゃうのと半々な絶妙な味がする人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方の休憩

 

わたしとボスが休憩を終える頃、取締が休憩に来た。

ボスは取締に愚痴り始めた。

「あの2人」が休出すると言ってる事を。

この会社で「あの2人」と言えばNOの2人の事。

 

Oは休んでいたから良いけど、

Nは時間配分がおかしいんじゃないかという話をしていた。

わたしは聞こえてないフリをして出て行った。

 

ボスは休憩延長らしい。

「この2人」の休憩長いんだよな。